尖閣諸島問題を筆頭に、ここ数年の中国の動き方、というのは、かつて彼らが他国を批判して用いた『覇権主義』そのものなんじゃないか?と思うこと多々であって、警戒せざるを得ないし、やはりある程度の対抗力(抑止力、ね)も必要。



一方で、所詮、共産主義ゆえの、とも言うべきか、必ずしも、この国、一枚岩ではないことも多く、対抗する上で『敵の弱点』は良く知っておく必要がある。この意味で、偶々、興味深い記事が2つあったので、引用しておく。




実力の差は明白 わが女子サッカー「日本の補欠に及ばず」=中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110912-00000000-scn-spo


”ロンドン五輪アジア最終予選の最終戦が11日、中国で行われ、なでしこジャパンは中国と対戦し、1-0で勝利した。なでしこはすでに五輪出場を決め、中国は五輪への出場権を失った状況での試合について、網易体育は「ただ名誉のためだけに戦った今試合は李霄鵬監督と劉華娜選手らの引退試合でもあり、選手らは真剣に戦ってはいたものの、日本チームに比べると多くの問題が露見した」と報じた。

 日本はすでにロンドンへの切符を手にしていたため、主力選手を休ませての試合となったが、記事は、「先発選手11人のうち主力選手は4人のみという状況だったが、プレイには余裕があった。一方、プレッシャーのない中国は思い切った姿勢を見せた」とし、試合開始後、中国は野心的なプレイを見せ、日本を苦戦させたが、試合が進むにつれて日本との差が明らかになってきたと報じた。

 記事は、「日本のチームワークに比べ、中国は明らかに全体の意識が低い。日本がセンターを突破する際には、サイドが必ずこれをフォローする。しかし、中国では協力体制がなく、個人の力のみで切り抜けなければならない」とし、試合に対する理解も日本チームは統一されている一方で、中国選手はそれぞれが何を考えているのか分からないと批判した。

 また、「試合自体は負けたが、中国代表はこれまでに比べて、今回の試合では健闘したといえる。ロスタイムでも試合を放棄することなく、世界チャンピオンの日本と戦ったことは、絶好の学習機会となっただろう」と一定の評価。さらに、「李監督は、中国チームは日本チームに劣らないと発言したが、試合を見ればその差は歴然だ。サッカーの理念・意識・速度すべてにおいて今後の向上が必要だ」と指摘し、今後1年、大きな試合がないその間の中国チームの成長を期待すると報じた。”



***



いつもの、”何が何でも中国がNo.1!”という論調ではない。試合を見ていないので正確な評論は控えるし、そもそもサッカーは門外漢なので(素人なりに色々言うけどねにひひ)、あくまで記事を読んだ限りの感想に過ぎないが、何だか、冷静かつ公正な評価に思える。



中国は実に広大な国で、その広大さは脅威の一つでもあるが、逆に広大さゆえに、地方間のバラつきは否めない。日本がともすると全体主義に陥るのも問題だが、中国の全体意識の無さ、というのは何もサッカーに限ったことではない。



例えば、次のような記事も面白い。



中国人富豪の最大の願いは「中国を離れること」=米メディア

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110910-00000021-scn-cn


”AP通信はこのほど、中国の富豪にとって最大の願いは中国を離れることだと報じた。北京で不動産開発業を営む大富豪の男性は、21世紀をリードする可能性のある国家の頂点に立つ可能性を持つ人物と言っても過言ではない。しかし、多くの新興富豪と同じように、男性も「いつかは中国を離れたい」と考えている。理由は「自身の財産の保護、自由な言動、2人目の子ども」だという。9日付で環球時報(電子版)が報じた。

 中国富裕層の海外投資は増加の一途をたどっている。海外との取引や出張のためにパスポートを手に入れることも、中国を離れるための手段の1つとなっている。米国をはじめ、カナダやオーストラリアも、中国からの移民を広く受け入れている。経済の発展と生活の向上によって政治的地位を強化した中国共産党にとっては、この傾向は悩ましい問題だ。

 改革開放によって、多くの中国人が貧困から脱却し、超富裕層も生まれた。党は経済的自由を与えたが、日常生活は厳しくコントロールされている。不動産業の男性によれば、中国では家を1軒購入しても、土地は国家の所有である中国では70年後には国家のものになるか、あらためて借地権を購入する必要がある。

 北京のある移民コンサルタント企業の担当者によると、中国の富裕層の移民ブームの原因は、主に「より良い子どもの教育や医療」のためだが、違法な収入を海外に移そうと考える者もあるという。また、すでに海外に移民した友人の刺激を受けている者も多い。彼らは中国で事業を展開しながらも、グリーンカードを求めている。

 広がる貧富の差が生む富豪への「ねたみ」も不安材料だ。中国は為替レートを厳格に管理しているが、富豪の移民が増えるにつれて、莫大な個人資産が海外に流出しているのが事実だ。

 過去10年、ロシアの富豪も一貫して海外に拠点を移すために努力してきた。近年では、その傾向は中産階級にまで広がっている。

 男性は、海外でも成功できるかどうか不安が残るため、今後10年は中国にいるつもりだというが、男性の夫人はすでに米国に住み、第2子の出産を待っているという。”



***



「一人っ子政策」の非人道性は確かにあるが、しかし10億人を抱える中国で、世界的な食糧問題も考えれば、人道だけ謳うのも危うい。中国がほんの少し豊かになって購買力が付いただけで、食糧・食料価格は高騰している。日本は蚊帳の外ではない。



市場化されていない人口がまだまだ多いゆえに、日本ほど少子高齢化は問題にならないが、しかし、いずれは来る道である。中国は、おいそれと対外問題だけに猪突猛進できる状態には無い。