昨日の政府・日銀の結託による為替介入は案の定、極めて限定的な効果しかもたらさなかった:




円売り介入「多国間合意に基づくものでない」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110805-00000050-yom-bus_all



”欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は4日の記者会見で、政府・日本銀行による円売り介入について、「為替介入は多国間の合意の下に行われるべきだが、今回の介入は、多国間の合意に基づくものではない」と述べ、単独介入に批判的な考えを示した。

 一方、ロイター通信は、「米当局者は、日本が実施した市場介入について、米国は支持しなかったと述べた」と伝えた。”



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株安の影響もあるだろうが、既に為替は1ドル=78円台半ば、で推移しており、再び円高のトレンド、というか、トレンドは変わっていないとみるべきだろう。



震災復興に及ぼす円高の悪影響・・・というのが、政府・日銀側の’理屈’であるが、震災直後に述べた通り、これは円高=悪、というドグマに基づくもので、決して真実ではない。



トレンドを変えるだけの十分効果的な介入、は国富の観点から善であるが(介入して購入したドル資金は含み益を発生させる)、そのための唯一の手段は協調介入であって単独介入ではない。



一時的な円安の演出は、公金投入で購入した外貨資産の含み損(国富、即ち国民財産の減少)の犠牲の下に、輸出業者の一時的利益をもたらすのみであって、言ってみれば国民全体から輸出業者への”上納金”に過ぎないとも言える。



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バブル崩壊後、日本の政治家は何も学ばないが、いい加減、円高=悪のドグマから脱出しない限り、この国の産業構造は変化しない。