エントリのタイトルだけ見て、感情的な反応は止めて下さいネ
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農作物への放射性物質汚染が拡大したり、海水汚染、更にはとうとう、東京の水道にもヨウ素汚染が発見されるなど、メディアの報道は少々過熱気味で、またぞろ煽られた一般の方で水の走り買いが見られるなど、何だかなぁ・・・という状況ですが、事態は少しずつ改善の方向に向かっています。
補給水ポンプ、試運転へ=3号機、復旧作業を再開―福島第1原発・東電
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110324-00000007-jij-soci
東日本大震災で被災し、深刻な状況が続く福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で、東京電力は24日、3、4号機について、原子炉に真水を送り込む補給水系ポンプの試運転を実施する方針だ。3号機では原子炉の状況が詳細に分かる中央制御室が復旧しており、東電は残りについても復旧作業を急いでいる。
1号機では同日午前、中央制御室の照明が点灯した。
3号機は23日夕、原子炉建屋から黒煙が発生し、作業を中断したが、同日午後11時半ごろと24日午前5時前には収まっているのが確認された。このため、東電は同5時半すぎ、使用済み核燃料プールへの海水注入作業を再開した。
東電は3、4号機の補給水系ポンプの試運転を行うほか、1、2号機でも、同様の試運転が可能か順次調べる。
東電は23日午前、3号機で補給水系ポンプの準備と並行し、消防車のポンプを接続した冷却系配管から使用済み核燃料プールに海水を入れた。プール冷却が目的で、2号機でも実施済みの手法といい、24日には4号機でも実施する。
福島第1原発では、外部電源が1~6号の全基に接続された。5、6号機は安全な冷温停止状態になっており、東電は1~4号機について冷却ポンプなどの復旧を進めている。
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2次電源による冷却装置の回復が’肝’ですから、この作業が着実に為されるよう、現場で大変なご苦労をされていらっしゃる作業員の方々にお願いする次第です。
水問題については、少々調べていることがあるので、改めて書きますが、そろそろこの段階で、東電問題そのものについて触れておきます。
東電では資金問題も生じているようであり、メガバンクによる支援融資が実施されたり、政投銀による支援が取り沙汰されるなどしていますが、懲罰的な意味合いではなく、飽くまでも電力供給者としての東電を保護する意味合いで、一時国有化は避けられないと考えます。
企業にとって、損失を負担するオサイフとしては諸準備金・保険などを除けば結局のところ、株主資本、即ち、純資産しかありません。会計上の数字を確認しておけば:
東京電力の連結純資産額=約2兆9800億円
(昨年、平成22年12月末時点; 出典は以下)
http://www.tepco.co.jp/ir/tool/yuho/pdf/2010_3-j.pdf
もちろん、一企業としては巨額の内部留保がある訳で、共産党ならこれを放出しろ!と感情的議論が横行することになりますが、今回の被害はどう少なく見積もっても、この金額で足りよう筈がありません。
そうなると、債務超過、です。
それを見越してか、政府の方では損失補償について政府が負担することが先行議論され始めたようですが、原理原則は曲げてはなりません、即ち;
・ 飽くまで過失責任による損害賠償は過失者の負担において為されるべき
・ その過失者の資力から見て不足が生じ、かつ、損害賠償・損失補てんが公共的に為されるべきである、とする事例に限って政府補償を検討すべき
ということです。今回の事例では、後者については疑いがありません。前者については、恐らく東電のホンネとしては予測不可能な天変地異に類する震災での損害であって、過失はない、と言いたいのでしょうが、そうではないことは段々明らかになっています。
現在、東京電力の株式(東証、#9501)は900円前後で取引されており、PBRで見ると約0.5倍(一株当たり純資産価額の半分、ということ)、PERでみると9倍(9年分の一株当たり利益、ということ)で取引されています。率直に言えば、なぜこの株価で買いたいという人がいるのかは極めて不可解ですが(インデックス裁定のバスケットに含まれていたり、ショートカバー、というのは分かりますが)、資本市場の鉄則として:
1に株主責任、2に経営者責任
であることは明確にすべきです。
そして、東京電力が今後ともこの地域における主要な(唯一の、ではないにせよ)電力供給者として重要である以上、電力の安定かつ安全な生産供給体制が築かれるよう、経営変革は必要です。何よりも、これまでも、そして今回の件でも現場で多大な苦労をしている作業員たちを守らなくてはなりません。
民主党政権は、JAL再生について迷走した挙句に、現在もまだ不透明な状況にしたまま、です。今回は、その轍を踏まないよう、早期の一時国有化の議論を始めるべきです。