時折、事件報道を見ますが、整理された記事が出ています:




<投資ファンド>悪質横行…証券監視委の検査追いつかず

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100607-00000026-mai-soci



”広く出資金を集めて運用する「投資ファンド」を巡るトラブルが最近相次いでいる。証券取引等監視委員会の勧告を受けて金融庁は6月3日、競走馬に出資して配当を得る「競馬ファンド」の運営業者の資金管理がずさんだったなどとして、金融商品取引法違反で1カ月の業務停止処分とした。このケースでは配当するはずのレース賞金を借金返済に充て、別の資金を配当に回すなどのずさん経理にとどまっていたが、別の投資ファンドでは実態がないにもかかわらず出資金を集めるなど悪質な事例も目立つ。

 金融庁は2月、南米エクアドル沖で大航海時代に沈没したスペイン船から宝石や金貨を引き揚げ、利益を配当することをうたい、約400人から約8億円を集めた東京都内の発掘ファンドを2カ月間の業務停止処分とした。引き揚げは実現されずに突然契約を打ち切り、8億円の半分は使途不明になっている。

 ポップアート画で人気の現代美術家、奈良美智(よしとも)さんの絵画を共同で買い、転売して利益を配当するとうたった業者も同月、業務停止3カ月の処分に。投資家の勧誘を無登録業者にさせていた上、約60人から集めた出資金のうち約1億円が使途不明になっていた。

 登録・届け出されたファンドは現在約4000社に上り、業務停止や登録取り消しの行政処分を受けた業者は11件にとどまるが、監視委関係者は「業者が多過ぎて検査が追いつかないのが現状」と指摘する。「検査後に社名を変えて違う商売を始める業者もいる。手を替え品を替え利益をむさぼる手口に注意が必要」という。悪質なケースは警察当局が詐欺事件として摘発することもある。

 無登録業者による被害も相次ぐ。昨年7月、全国の2万人から総額100億円超を集めたとみられる札幌市の無登録ファンドが、契約と異なって配当を滞らせた上、出資金も返還していないとして、北海道警が捜索に乗り出した。元会員ら100人超が損害賠償を求めて係争中だ。

 国内に無登録業者がどれだけ存在するかのデータはない。限られた人員の監視委は無登録業者を調査したことはないが、金融商品取引法の改正に伴い、6月8日からは全国の財務局も検査できることになった。

 ファンドの実情に詳しい「良質な金融商品を育てる会」の永沢裕美子事務局長は「だまされて訴訟に踏み切っても、相手が破産し、投資金を取り戻せないことがほとんど。出資する前に業者の登録状況を金融庁に照会したり、業者の取引先の信託銀行がどこかチェックするなど最低限の確認をしてほしい」と注意を促している。”




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”限られた人員の監視委・・・”とは笑わせます。事実、金融庁管轄の検査要員はこのご時世にも拘わらず、増大に増大を重ねています。




問題なのは、こうした検査要員が、これらの悪質なケースの調査では無く、正常な業者の「重箱の隅つつき」に終始していること。法令についても、この10年余り、度重なる改正を経た筈ですが、商品先物やFX業者(もちろん、中には悪質な業者がいたのも事実ではありますが)などの、’正常な業種・業態’に対しては殆ど流動性が無くなるなどの大打撃を与えたものの、本当に悪質な上記のようなケースには及ばないものでした。




また、末尾の注意喚起ももちろん、これが出来るに越したことはありませんが、実際、こうしたチェックが出来る人がどれだけいるでしょうか?とても、最低限の確認、とは思えません。