なるほど、こういう議論が為されているんですね:
金融政策が危機発生の主因との説、「強く疑問視」=仏中銀総裁
”欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるノワイエ・フランス銀行(中央銀行)総裁は16日、都内で開かれたフォーラムで、金融政策が金融危機発生の主因になったとの見方を「強く疑問視」していると述べた。また、物価安定は今後も中銀の主たる目的であるべきの考えを示した。
同総裁は「わたしは、金融政策が金融危機発生の主因になったとの見方を強く疑問視しているが、それと同時に、今後は金融安定により貢献することが可能で、そうあるべきと考えている」と述べた。
さらに「特に明確にすべきなのは、中銀の新たな役割や機能がどんなものであれ、今後も物価安定が主たる目的であるべきということだ」と述べた。”
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以前に書いたかもしれませんが、私自身は金融危機の原因の一つが、”日本の”金融政策にあったのではないか?との仮説を持っています。欧米金融政策を検証しても恐らくノワイエ氏と同様の結論になると思われますが、日本の金融政策は検証が必要でしょうね。
また、中央銀行の主たる役割が物価安定、という点では異論を差し挟みませんが、問題はその”物価安定”というのが従前に比べると複雑化している、ということでしょう。
フローとアセット(ストック)のインフレ/デフレ、それぞれが密接に連関しながら、それでも独立して動くために中央銀行の金融政策は、金利やマネーサプライの調節という伝統的手法ではコントロールしにくくなっています。
いずれにせよ、この議論の成行には注視していくべきでしょう。