オリンピックも来なくなりましたし、石原都知事の目論みは露と消えました。





もっとも、私自身はこの「外環道」は必要と思います:





悲願の「外環道」建設遅れ、民主都議も落胆

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091010-00000025-yom-soci



”「渋滞解消の切り札なのに。建設が遅れてしまう」――。東京外郭環状道路(外環道、練馬―世田谷間)の建設事業で、計71億円の補正予算のうち9割以上の執行停止が9日、国土交通省の馬淵澄夫副大臣らから発表された。


 停止を免れたのは測量・設計費5億円のみ。東京都の担当幹部からは「地元自治体の意見を一切聞かれなかった。これでは“非民主党”だ」と皮肉交じりの嘆息が聞こえ、政権交代に一役買った民主党都議からも「残念の一言」と疑問の声が出た。


 「国交省の出先事務所に聞いても『わからない。本省に聞いてくれ』の一点張りで、現場に情報がない。政治主導にもほどがある」。外環道事業を担当する都建設局には、発表にあたり国交省から連絡は一切なく、情報収集に追われた担当幹部は怒りに語気を強めた。


 都にとって、外環道建設は「悲願」だ。16キロに及ぶ練馬―世田谷間は1966年に都市計画決定されたが、地元の反対運動で凍結。99年に就任した石原慎太郎知事が、「渋滞は東京の致命的な欠点」などと凍結解除を訴え、計画が動き出した。


 今回、事業費が国の補正予算にやっと盛り込まれ、「渋滞解消は鳩山政権が掲げる温室効果ガス削減にも寄与する。大事な事業なので、執行停止はないだろう」との見方が強かった。


 それだけに、用地買収費など66億円の停止に落胆が広がったが、別の都幹部は測量・設計費が残ったことに望みをつなぎ、「着工は遅れても、事業自体は続ける考えだと受け取った。用地買収はできなくても住民向けの説明会など必要な措置を早く始め、早期着工を目指すべきだ」と注文した。


 今月7日には、民主党を含む超党派の都議が、前原国交相に執行継続を要望したばかりだった。民主都議団の大沢昇幹事長は「補正見直しという党本部の大きな波にのみ込まれてしまった。今後も必要性を訴えたい」と無念そうに話した。


 一方、建設に慎重な立場の住民団体「外環道検討委員会」の運営委員、大塚康高さん(67)は「少なくても予算が付くと言うことは、事業が進むということ」と不満を語った。 (後略)”




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大枠としてこの外環道に賛成なのは以下の理由によります:




1) 渋滞解消



環状8号線の恒常的渋滞は近隣に住んでいたこともありますし、周知の事実といって良いでしょう。これがもたらす経済的損失と環境負荷は、外環道投資を正当化します。



また、東名・中央・関越の各高速道路を縦に繋ぐ路線不足も問題です。




2) 網状ネットワーク化による危機管理の向上




先の東海地震で一部崩落が生じたときのように、東名・中央はイザというときに代替交通ルートとして機能します。上に述べた通り、これらが縦に繋がっていることは危機管理上も有効策と考えます。




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尤も、これを現実化させるために石原都知事が採った手法(オリンピック招致を契機として国や反対住民に対してゴリ押しする手法)は、賛成しかねます。




上記で引用した記事にもある通り、じっくりと時間を掛けて反対派住民と話し合い、ベターな方法があれば、現計画に拘泥せず、聞く耳を持つべきです。地道な作業をサボっていいことは何もありません。




その上で、建設費に関しては国を当てにせず、料金徴収によってどの程度回収出来るか、再度資産を行い、多少の不足分は公共目的として都税投入する形で、出来ないか、改めて精査すべきですね。