伊東コーヒー実験室 円錐型ドリッパー v.s. カリタウェーブドリッパー

 

円錐型ドリッパー v.s. カリタウェーブドリッパーの比較は、いろいろな視点から多くの方が調べていますが、味についての比較が多いです。

今回は、数学的というか、底面あたりのフィルター面積の比較を行います。

 

ドリップも最終段階になると、だんだん目詰まりが多くなり、滴下速度が落ちます。この最終段階で思った以上に時間が掛かり、過抽出になってしまったと、残念に思われた方も多いでしょう。

カリタウェーブドリッパーは、後半になっても抜けが早いので、時間のコントロールがし易いことは知られていますが、その理由を底面あたりのフィルター面積の比較から考察してみます。

まず、比較対象です。円錐型の利用者が圧倒的に多いので、「ウェーブドリッパーのほうはずいぶん小さいなあ~」と思われるでしょう。

 

抽出後半の抜けの速度の違いということは、底面付近のフィルター面積が大きいほど、目詰まりしにくく有利なはずです。

そこで、底から2cmの面積を比較してみます。ノギスでだいたい底から2cmあたりを計り、しるしを付けます。どちらも円形なので、同心円状になります。

 

まず円錐形から

左目が悪くて遠近感がつかみにくいので、なかなか定まりませんが、とりあえずマジックでしるしを付けました。

次に、このフィルターを展開します。展開したら、同心円状の線を書きます。ヘタクソで申し訳ないですが、だいたいこんな感じです。

 

次にウェーブドリッパーで

同じように展開し、同心円状の線を書きます。

 

2つを比較します。信じられないくらい! ウェーブドリッパーのほうが面積広いです。

これだけ底面付近の面積が大きければ、後半の抜けも早いはずです。

自分でも、こうしてやってみて、初めて差の大きさを知りました。

 

これで、カリタウェーブドリッパーは後半になっても抜けが早い理由が分かりました。

フィルターをドリッパーに収めた時には小さく見えたのに、「小さな巨人」を連想しました。

ふと、中学校理科の「小腸の柔突起」を思い出しました。

表面がヒダで細かく折りたたまれ、さらに柔突起が膨大数生えており、小腸全体の表面積はテニスコート1面くらいだったと記憶しています。

なるほど、ウェーブドリッパーは細かく折りたたまれている分、表面積が大きいという事ですね。

理由が分かって良かったです。