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伊東コーヒー実験室 機種によって違う刃の形状と味 その1

 

分解メンテナンスと並行し、私見ですが、各々の刃について書きます。

 

1.全体写真です。大きく分けて、豆を切るタイプと割るタイプがあります。

 

2.味は、きちんと比べると違います。味が違うので、どのような味を狙っているかで、選択するミルが異なってきます。味の感じ方は、個人個人の違い・豆の違いで変わってきますので、今後どこかで書くとしても、おおよその傾向しか書きません。

 

3.一番右側、割るタイプの刃です

本体はこれです。喫茶店で最も普及している、昔から基本設計がほとんど変わっていないミルです。刃の形状はワニのウロコのようにトゲトゲしており、そのトゲトゲの間に豆が挟まり、順次細かく割れていきます。刃の直径は 76.5mm です。

エスプレッソのような、細かい挽き方は出来ません。

 

4.ボンマックBM570のディスクカッター仕様の刃です

詳細は分かりませんが、中の刃だけ違います。割るタイプの刃との交換は、刃のセッティングも必要ないくらいで、ネジを外しそのまま交換すれば大丈夫です。穴が4か所ありますが、2か所しか使いません。刃の直径は 90.0 mm です。Ditting KFA903の刃と、サイズが同じ(ネジのピッチも)だったので、試しに903の刃を入れてみたら、そのまま使えて驚きました。

 

5.旧型Ditting KFA903の刃です

鋳物製で切るタイプの刃です。刃の直径は 90.0 mm です。 最近、リバイバルで鋳物刃の人気が高まりました。EK43とか807とかです。名機903は製造中止になったので、ほとんど刃の減っていない903の旧刃は、レアものだと思います。

 

6.最終型Ditting KFA903の刃です

キレキレです。刃と平行に指で触ったら、指が切れそうなほどです。刃の直径は 90.0 mm です。顕微鏡で新旧2枚を 60倍に拡大して観察しましたので、参考にして下さい。技術部門としては、最高の切れ味が実現できたので「やった!」と思ったでしょうが、実際に新旧で味を比べてみると、旧刃のほうが味が良かったそうです。理由不明ですが、切れ過ぎてもよくないようで、奥が深いです。

これは刃だけ購入したので、最終型の本体はありません。

 

7.VTA-6Sの刃です

スタバの隅に必ず1台は置いてある、アレです。刃の直径は 120.0 mm です。三相200V & 2100W、もの凄いパワーです。重さも45㎏程度と、ヘビー級です。

この強力ミルで、1杯分だけ豆を挽いてハンドドリップされた経験のある方は、非常に少ないのではないでしょうか?

どんな味になるのでしょうね?

 

8.KFA1403の刃です

もはや産業用にしか見えない巨大さです。刃の直径は 140.0 mm です。三相200V & 1700W、VTA-6Sより若干低いですが。十分なパワーです。

昨年度か一昨年度か忘れましたが、Dittingのラインナップモデルが大幅リニューアルされ、このKFA1403だけ残っています。

6年くらい前に試した時には、903と1403で、一回分ずつ豆を挽き、味を比較しました。違ったので驚きました。

驚きの続きは、伊東コーヒー実験室の実験室コーナーにて、ご自身の舌で、ご確認下さい。