吉田拓郎の曲は、本人が歌っているものより、前に取り上げた『アン・ドゥ・トロワ』など他人に提供した曲のほうがいいものがあると思うのですが、そんな中でこの『伽草子』は本人歌唱の曲で一番気に入っています。


この曲が発売された昭和48年当時は私は大学生で、恋愛にあこがれながらも恋愛とは縁遠い生活を送っていたのでした。そんなとき、この曲を聴いて「こんな雰囲気で好きな女の子と過ごせたらいいなあ」と切実に思いました。


歌詞は自然体で、しかもメルヘンチックな優しさに満ちています。お酒が回ってちょっとうつろな気分になって、時のたつのも忘れて彼女との幸せなひとときを過ごすといった情景が浮かんできて、聴いていて幸せな気持ちになれる曲です。


http://www.youtube.com/watch?v=YLlqzEyqXws