隣の欅にロープをかけそれを支柱にしてヒョイヒョイと登ってゆく


    

 昨年、冬至前に大雪が降った時に、雪の重みに耐えかねた山桜の枝は折れ、亀○の味噌小屋の屋根の先っぽを壊し真っ白な雪の上に落ちていた.......。
山桜の幹は両腕で抱えても余るほど大きく、高く、りっぱな木だった........。
山桜は毎年、春になると柔らかい若葉の木々を浮き立たせるように、薄桃色の花をかわいらしく咲かせ、日々の山仕事に寄り添い、何代もの人たちを楽しませてきた..................。
小枝が伐られ、順々に少しずつつばめられてゆく桜木、太い幹はストーブの薪にふっくらと春を準備した枝先ははらわれて藪に積み上げられる........。
島の春山は薄化粧をしたように山桜で桃色に染めあげられる、きっと何度目かの春に風か鳥が桜の実を運び、いつか実生の桜がそ知らぬ顔で根付き、味噌小屋、そこらの欅やエダヤをソワソワどきどきさせる事だろう................。
いつ頃からだったろ、桜の咲く春がとても愛おしく思えるようになったのは、春になると約束したように次々といっせいに咲き出し、やまを染め、風にゆれ散って、いつのまにか緑の葉っぱだけに.......それだけの事なのに......
若いと思っていた時には感じなかった思い。

                            

          

 

    夕方遅く雪がひどくなり次回に延期.....降りものがない日に