先日、大人の学校というテーマで書きましたが、21世紀のビジネスの主流になるのは大人の大学ではないかと思います。少子化によって日本の大学は危機的状況を迎えています。大学の経営からいって、優秀な学生を集めるというよりも、数を揃える事に苦労する時代に入りました。
今後、企業と同じように合理化、経営統合などリストラが加速するものと思われます。そういう危機感から新しい様々な行動を起す大学が増えてきているようです。その一つが、成人をもう一度大学に呼ぶという発想が考えられます。
学問というのはとても魅力的で、視野を広げ人を成長させる力を持っています。今まで知らない事を知るという事は、ある意味、生きている証拠であるとも思えます。しかし、大事なのは知ることによって如何に現実を豊にするかであると私は考えます。
産学協同という言葉が聞かれて久しいですが、大学にある様々なノウハウをビジネスの世界にどう活かしていくかが人々を豊にするためには欠かせないものであると考える次第です。ビジネスといえば、モノやサービスの提供というのが一般的ですが、一体大学に埋もれているのは何かと言えば、それは人であると思います。
とかく行政は縦割りと言われ、その弊害が目立つ昨今ではありますが、大学も同じように各分野における権威を張り合っているようでは未来はないものと思われます。大学が他の教育機関と異なるのは、研究を行うということです。
それは、理論だけではなく実践を伴わなければならない。アンケートや外部からの分析では、新しい発見や創造には繫がらないものと思われます。21世紀は何と言っても人が主役の世紀となるでしょう。これまでのモノ優先の時代から人優先に大きな転換があると思われます。
実は、モノと言っても、モノは人が作るわけであり、人が作ったモノが注目されていたに過ぎないのであり、常に大事なのは人であるという事については、今も昔も何ら変わらないのではないかと思うのです。ただ、あまりにも様々な新しいモノが出現し、その根幹を作り出す人に目が行かなかったに過ぎないだけでしょう。
適材適所という言葉があります。近年、ナレッジマネジメントという言葉も囁かれています。世の中を豊にするためには、個々人が最高のパフォーマンスを挙げれるように環境やシステムを作る必要がある。これまでは、その環境とは運命と呼ばれ、与えられているに過ぎず、その違いによって今様々な格差を生み出しつつあります。
それは、人々を恐怖と不安に陥れる環境を作り出し、人々が作る社会を壊している。自分ではどうすることも出来ない与えられた環境に人々が潰されていくからそうなるのであると思うのです。人が人として一番問題なのは、自分のことを自分が知らないという現状にあると私は思います。
自分には何が出来るのか、何をやれば最高のパフォーマンスを発揮できるのか、どうすることによって自らの幸福を感じることが出来るのかなどの根本的な悩みや問題に対して、誰も助けてくれないという危機的状況があると思います。
そうした問題を解決するには、大学における様々な分野の知識が大きな力を発揮するのではないかと思うのです。もちろん、本人の努力というものもありますが、努力できる環境を整えるシステムが不可欠ではないでしょうか。
ここに、一人のホームレスが居たとします。彼は、本当にホームレスになるべき存在なのかという事に対して、真の答えを出せる人はいないでしょう。ホームレスになった人は、社会と関わりを持たず何ら社会に貢献することも無く、自らの存在意味を残すことも無く人生を終えてしまう。
ひょっとしたら、彼は類稀なる何かの才能や力量を持っていたかもしれない。それが人類の危機を救うほど大きなものかもしれないと考えられはしないでしょうか。それよりも何よりも、彼自身が真に納得した人生を送ったのでしょうか。本当の自分を見つけることが出来たのでしょうか。
人は誰でもいつか、この疑問にぶち当たることになります。今の時代は、その疑問をもつことすらない時代かもしれません。しかし、そういうものが見出せれば人生は輝くし何倍もの充実感を得られます。本来、人はそれを求めて生きているのではないでしょうか。
そういう個人の満足度を向上させる事は、単に個人がより良く生きることに留まりません。社会貢献度も上がりますから社会全体のパフォーマンスも向上し、豊な社会の構築に繋がるのではないかと思われます。
国の力とは、言うなれば個人の力の集合体であり、個人の力量が上がれば国は栄える。個人の力量が上がれば企業の力も上がり、更なる発展も見込めるのではないでしょうか。一人の人間を大学にある様々な知識とノウハウと研究によって向上させるというのは、一つの学問でありビジネスになろうかと私は思います。
そして何より、それを実現させる為には工場建設もいらないし、原材料を購入する必要もありません。つまり、今あるものの仕組みと発想を変えるだけで、明日から直ちに実現できるビジネスであると思います。いよいよ人のお金を掛ける時代が近づいていると思います。
人の考えること思うことに対して価値を見出し、そこから全ての創造が始まるということを今一度、政治も行政も大学も産業界も再認識することがとても大切ではないでしょうか・・・・