量子コンピューター同士の長距離通信を実現、データを橋渡しする新しい“翻訳機”が秘めた可能性 | WIRED.jp
「量子コンピューター同士の長距離通信を実現、データを橋渡しする新しい“翻訳機”が秘めた可能性 | WIRED.jp」がちょっと面白い。
「量子ネットワークの構築における根本的な課題は、量子情報をやり取りする機器同士の通信手段の確立にある。例えば、超伝導方式の量子コンピューターが扱う超伝導量子ビットは極低温環境で動作し、マイクロ波という電磁波を使って情報をやり取りする。だが、マイクロ波は減衰しやすく、長距離伝送には適していない。そこで、光ファイバーを通じて遠距離まで安定的に伝送できる光信号へとマイクロ波を変換し、再びマイクロ波に戻す手段が必要というわけだ。
この変換プロセスには、マイクロ波・光変換器(MOC)と呼ばれる装置が用いられる。これまで数々のMOCが開発されてきたが、変換効率が50%に満たなかったり、変換中に1光子以上のノイズが生じたりと、量子通信に耐えうる性能には至っていないのが実情だ。」
「カリファらの研究チームが示したのは、スピン(自転のような性質)の状態にある電子をもつ色中心という欠陥構造を、シリコン基板上に配置したマイクロ波共振器と光共振器の双方と強く結合させる手法だ。これにより95%を超える変換効率と、1光子未満の低ノイズを実現できる理論的な枠組みを提示した。
色中心とは、結晶内部に形成される微細な欠陥構造のことで、特定の波長の光を吸収したり放出したりする性質をもつ。電子のスピン状態と軌道状態の両方を制御できることから、量子情報の変換において“橋渡し”の役割を果たす。天然のダイヤモンドが色を帯びる原因のひとつも、この色中心に起因している。」
Illustration: Yuichiro Chino/Getty Images
小松 仁
