ラトゥール、CSI、そしてSTS – WirelessWire News

 

「ラトゥール、CSI、そしてSTS – WirelessWire News」がちょっと面白い。

 

「福島真人(ふくしま・まさと)

東京大学大学院・情報学環教授。専門は科学技術社会学(STS)。東南アジアの政治・宗教に関する人類学的調査の後、現代的制度(医療、原子力等)の認知、組織、学習の関係を研究する。現在は科学技術の現場と社会の諸要素との関係(政治、経済、文化等)を研究。『暗黙知の解剖』(2001 金子書房)、『ジャワの宗教と社会』(2002 ひつじ書房)『学習の生態学』(2010 東京大学出版会、2022 筑摩学芸文庫)、『真理の工場』(2017 東京大学出版会)、『予測がつくる社会』(共編 2019 東京大学出版会)、『科学技術社会学(STS)ワードマップ』(共編 2021 新曜社)など著書多数。」

 

「先日、科学技術社会学(STS)の創設者の一人、ブリュノ・ラトゥール(B.Latour)が逝去した。享年75歳。STSの周辺では、ラトゥールの名はアクターネットワーク理論との関係でよく知られているが、近年では地球環境問題についても積極的に活動していたので、名前を聞いたことがある人も少なくないだろう。最近は翻訳もいくつか出ている。」

 

「他方、こうした認識が基本的に紙の上の情報だけで流通する、本邦の長い訓儒学的伝統のため、そこで語られる議論 (あるいは人物像)が、何かどこか的を外していて、現実の微妙な複雑さを反映していないと感じることも少なくない。我々が編集したSTS入門書で、わざわざ「ラトゥール神話」というコラムを書いたのは、現実が見かけよりもっとはるかに複雑だからである。デュシャン(M.Duchamp)に会ったこともない日本人アーティスト達が熱狂的にデュシャンを語ることを批判した本まであるくらいだから、いずれおこる妙な神格化 (といってもその兆候は既にある)の前に、私自身の直接の印象を記しておくのも無駄ではないだろう。」

 

小松 仁