つながりのテクノロジーはまたしても我々を引き裂く – WirelessWire News

 

「つながりのテクノロジーはまたしても我々を引き裂く – WirelessWire News」がちょっと面白い。

 

yomoyomo

雑文書き/翻訳者。1973年生まれ。著書に『情報共有の未来』(達人出版会)、訳書に『デジタル音楽の行方』(翔泳社)、『Wiki Way』(ソフトバンク クリエイティブ)、『ウェブログ・ハンドブック』(毎日コミュニケーションズ)がある。ネットを中心にコラムから翻訳まで横断的に執筆活動を続ける。」

 

「1912年4月、タイタニック号がニューファンドランド沖で氷山と衝突したとき、救難信号は確かに発信されたものの、近隣の船舶が対応しようとした努力は、アマチュア無線家による憶測や噂に基づく虚偽の発信によって妨げられ、それが1500人もの犠牲者につながります。そして、それが通信事業者に免許を与える一方、アマチュア無線家を短波放送から締め出す電波法の制定につながった話など面白い歴史の逸話がいろいろ読めますが、それでも本書の主眼が現代のソーシャルメディアがあるのは間違いありません。」

 

「タイタニック号の事例は、20世紀初頭に起きた情報過多の一事例ですが、より多くのコミュニケーションがより良い理解をもたらし、それが社会問題の解決につながる、というコミュニケーション技術への楽観的な期待は、ずっと間違っていたとカーは断じます。カーはソーシャルメディアを考える上で、社会学者のチャールズ・ホートン・クーリーの「鏡に映った自己」という概念から出発しながら、常に次の刺激を待ち望みながらスクリーンを見続けることを要求されるソーシャルメディアにより、生活がメディア化され、かつてはかろうじて空間と時間の特別性を維持していた社交のあり方もアルゴリズムによる無秩序なバイブスに委ねられ、自分自身や他者を断片的で抽象的なものとして認識する「ミラーボールの自己(The Mirrorball Self)」に変容したと本書は説きます。」

 

「ソーシャルメディアの二の舞にしないために、悪用されうる可能性も現実的に見えてきたAIの健全な活用のため、政府による規制、社会的な対話、第三者評価機関の三つの選択肢がこの記事では挙げられていますが、どれも簡単ではありません。それを考える上でも、『Superbloom』は読む価値があるとワタシは考えます。

 少し前にニューヨーカー誌に掲載されたビル・ゲイツのインタビューで、「正直なところ、ソーシャルネットワーキングが生まれるまで、わたしはデジタルエンパワーメントを完全によいものだと思っていました」「いまになってみれば、ソーシャルネットワーキングに対して、それからいまはAIに対しても考えが甘かったと思います」と語っているのは、彼もまたこの二つの分野の相似性と危険性を理解しているからでしょう。」

 

 

小松 仁