「RIETI - 成長実現には何が必要か」がちょっと面白い。
プログラムディレクター・ファカルティフェロー」
「問題が大きいのは資本投入の部分だ。日本の潜在成長率(総供給能力の伸び率)と関連指標を分析すると、2000年代以降は資本投入が非常に小さくなっている。日本銀行の福永一郎氏らの24年の論文がわかりやすい(図参照)。
「潜在成長率が高まらない要因が企業の投資不足(生産性上昇に見合わない過少投資状態)にあるという考え方では、成長実現のためには企業の投資を増やすことが重要である。企業が投資を増やして貯蓄超過主体から投資超過主体に変わるのは、ISバランスで考えると、政府が財政赤字を減らして貯蓄超過主体に変貌することを意味する。
結局、持続的な成長を目指すということは、「企業の投資が増えて政府赤字が減る」未来を目指すということである。」
「市場という非人格的なシステムの中で、人々が自由に活動することによって起きる資源配分が、逆説的ではあるが、実はもっとも公正なものに近いといえる。これがハイエクの述べた自由な市場経済の意義だ。
もちろん、社会保障制度は市場の配分を是正して格差を和らげるために必要不可欠である。しかし、守るべき根本的な価値は、人々の自由な活動による資源配分の実現だ。この認識に到達できるかどうかが、現代の世界に問われている。」
小松 仁
