MIT Tech Review: 「量子コンピューターの用途解明、新たな応用へ」吉岡信行

 

「MIT Tech Review: 「量子コンピューターの用途解明、新たな応用へ」吉岡信行」がちょっと面白い。

 

「MITテクノロジーレビュー「Innovators Under 35 Japan Summit 2024」から、東京大学所属の吉岡信行氏のプレゼンテーションの内容を要約して紹介する。」

 

「現在実用化されている量子コンピューターは約100個の量子ビット(演算装置)を内蔵しています。しかし、最も有名な応用例である「ショアのアルゴリズム」による暗号解読には、1000万個以上の量子ビットが必要とされています。現状の規模からすると、まだ大きな隔たりがありますが、集積化技術の進歩により、着実に発展を遂げています。

私たちの研究により、今後数年で実現が期待される10万から100万量子ビット規模のデバイスには、量子物理シミュレーションが適切な応用領域であることが明らかになりました。これにより、化学計算分野での実用化が視野に入ってきています。今後の目標は、必要な量子ビット数をさらに削減することと、新たな応用分野を開拓することです。

従来のコンピューターの歴史を振り返ると、20世紀中頃までは大企業や国立研究所による利用が中心でしたが、性能向上とともに人工知能、暗号通貨、インターネットといった想定外の産業応用が生まれました。量子コンピューターについても、より多くの人々がデバイスを使用することで、新しい概念や技術が生まれることを期待しています。そうした革新の土壌を形成し、自らもリードしていきたいと考えています。」

 

SHINSUKE SUGINO

 

小松 仁