MIT Tech Review: マスクの「脳内野望」—— ニューラリンクの2025年を予測

 

「MIT Tech Review: マスクの「脳内野望」—— ニューラリンクの2025年を予測」がちょっと面白い。

 

「アントニオ・レガラード[ Antonio Regalado ]

米国版 生物医学担当上級編集者

MITテクノロジーレビューの生物医学担当上級編集者。テクノロジーが医学と生物学の研究をどう変化させるのか、追いかけている。2011年7月にMIT テクノロジーレビューに参画する以前は、ブラジル・サンパウロを拠点に、科学やテクノロジー、ラテンアメリカ政治について、サイエンス(Science)誌などで執筆。2000年から2009年にかけては、ウォール・ストリート・ジャーナル紙で科学記者を務め、後半は海外特派員を務めた。」

 

「イーロン・マスクは、自身が設立したニューラリンク(Neuralink)で、思考だけでさまざまなものの操作を可能にするBMI機器を開発している。マスクは「5年以内に数万人」と豪語するが、2025年の実際の展開はより慎重なペースとなりそうだ。

・ニューラリンクは2025年に最大20〜30人の患者にインプラントを埋め込む予定で

・カーソル制御の精度向上とキャリブレーション時間の短縮が課題となっている

・インプラントの改良とロボット・アームや視覚インプラントの開発を進めている」

 

「11月、ノーランド・アーボーという名の若い男性が、自宅から72時間連続でライブ配信をすると発表した。この配信は、裏庭の紹介やビデオゲームのプレイ、母親との対面など、ある意味では典型的な内容のものだった。

 この配信が典型的とは言えなかったところは、アーボーが四肢麻痺患者で、脳内には細い電極付きのワイヤーが埋め込まれていることだった。彼はこのインプラントを使ってコンピューター画面上でカーソルを動かしたり、メニューをクリックしたり、チェスをプレイしたりした。この脳インプラント「N1」は、イーロン・マスク率いる脳インターフェイス企業であるニューラリンク(Neuralink)と協力する脳神経外科医によって、昨年埋め込まれたものだ。」

 

「しかし、この技術はまだ商用化されていない。現在のところ、研究は小規模にとどまっており、機器がどのように機能し、どのように改良できるかを探る、文字通り実験の段階である。例えば、昨年のある時点で、アーボーの脳に挿入された多数の電極がついた「スレッド」の半分以上が所定の位置からずれてしまい、アーボーがN1をうまく操作できなくなった。ニューラリンクは急いで修正し、残りの電極を使ってアーボーがカーソルを動かせるようにした。」

 

「その他の取り組み

ニューラリンクは脳インプラントを開発する唯一の企業ではない。シンクロン(Synchron)という企業は、血管を通して脳に挿入する脳インプラントの研究を進めており、人間を被験者とした脳によるコンピューター制御の実験も続けている。パラドロミクス(Paradromics)、プレシジョン・ニューロサイエンス(Precision Neuroscience)、ブラックロック・ニューロテック(Blackrock Neurotech)など、他の企業も高度な脳コンピューター・インターフェイスを開発している。」

 

REBECCA NOBLE/The New York Times/Redux

 

小松 仁