「生成AIは悟りを開くのか?」チャールズ・リンゼイ×真鍋大度が語る意識と創造の最前線
「「生成AIは悟りを開くのか?」チャールズ・リンゼイ×真鍋大度が語る意識と創造の最前線」がちょっと面白い。
「12月10日、オープン準備中のクリエイティブスペース「fil」(住所は非公開)において、急遽開催されたトークセッション「A Dialogue on AI and Artistic Creation - Flying Tokyo #25」。登壇したのは、インターメディアアーティストとして世界各地で活動するチャールズ・リンゼイ氏と、アーティスト/プログラマー/コンポーザーとして知られる真鍋大度氏の二人である。
両者ともOpenAIが提供する生成AIと深く関わりを持ち、とりわけ動画生成AI「Sora(AI Video Generator)」のアルファテスターとして積極的に活用しているクリエイターでもある。」
「リンゼイ氏は、SETI研究所におけるアーティスト・イン・レジデンス(AIR)プログラムを創設した人物であり、グッゲンハイム・フェローにも選出されている。時間、テクノロジー、エコシステム、そして記号学などを統合し、没入型インスタレーションから静止画、さらにバイオテクノロジーの機器を再利用した彫刻作品まで、多岐にわたるアプローチを展開してきた。」
「今回の京都の個展では、「AIが悟りを得る可能性はあるのか?」という問いを中心に据え、OpenAIのSoraが生成した動画作品を含めた新作が披露されている。
この展覧会のコンセプトは、リンゼイ氏がNASAに対して“火星の退役探査機を使って禅庭を作る”という提案をしたことに端を発しており、そのアイデアはさらに発展し、パンデミック初期にリンゼイ氏が“AIと意識に関する疑問”を禅僧の伊藤東凌氏に投げかけたことで新たな展開を見せた。この問いに興味を惹かれた東凌氏は、リンゼイ氏の作品を建仁寺両足院で展示することを働きかけたという。」
「静止画の生成AIはすでにMidjourneyやStable Diffusionなどで実用化が進んでいるが、動画に関してはまだまだ未知の分野だ。そうしたタイミングで、Soraのアルファテスターを務める真鍋氏とリンゼイ氏が、実際にどのようにSoraを使いこなし、どんな映像表現を生み出しているのか。その生々しい話を聞ける機会は貴重といえる。
生成AI技術は、どこまで人間の創造力を補完し、あるいは超えていくのだろうか。この問いは、アーティストにとっても深遠でありながら、テクノロジー企業や研究者にとっても大きな関心事である。真鍋氏によると、Soraが公開したデモ作品と同一のプロンプトを入力してみても、必ずしも同じクオリティの映像が得られるわけではなく、まだバラつきや生成結果の“ブレ”が大きいという。だが彼は、「このブレこそが面白い」と語る。なぜなら偶発的なビジュアルの生成によって、人間の想定を超えたアイデアを引き出せるからである。」
「2人のトークセッションを振り返って印象に残るのは、リンゼイ氏が見せる深遠なアニミズムや禅の世界観と、真鍋氏の技術的・工学的な切り口とが絶妙に響き合っていた点だろう。生成AIは、まだまだ不完全な面も多い。それでも日進月歩のスピードで進化を遂げており、近い将来、映画や広告、ミュージックビデオなど、あらゆる映像表現の分野に大きなインパクトを与えるのは間違いない。」
photo:Kenichiro Shimizu(PELE)
小松 仁
