Modern Times | 平等にはなりえない? 評価のハイプ・サイクル
「Modern Times | 平等にはなりえない? 評価のハイプ・サイクル」がちょっと面白い。
・現代アートは「勝てば官軍」?
・評価システムが存在するのかすらよくわからない世界
・あるとき突然、評価がウナギ登りになることもある
・大衆の人気を得られればいいわけでもない
・科学の世界でも評価は人間関係に影響される
「福島真人(ふくしま・まさと)
東京大学大学院・情報学環教授。専門は科学技術社会学(STS)。東南アジアの政治・宗教に関する人類学的調査の後、現代的制度(医療、原子力等)の認知、組織、学習の関係を研究する。現在は科学技術の現場と社会の諸要素との関係(政治、経済、文化等)を研究。『暗黙知の解剖』(2001 金子書房)、『ジャワの宗教と社会』(2002 ひつじ書房)『学習の生態学』(2010 東京大学出版会、2022 筑摩学芸文庫)、『真理の工場』(2017 東京大学出版会)、『予測がつくる社会』(共編 2019 東京大学出版会)、『科学技術社会学(STS)ワードマップ』(共編 2021 新曜社)など著書多数。」
「あるとき突然、評価がウナギ登りになることもある
またその評価の基準も分かりにくい。ゴッホの作品は生前全く評価されず、死後やっと、という話はかつてよく聞いたが、実は神話で、生前から既に評価が高まっていたらしい。他方、ある時点まで全く無視されていたのに、途中から何故か評価が急に高まるという実例はいくつもある。小さな箱の中に神秘的なイメージを張り合わせて、今では評価が極めて高いコーネル(J.Cornell)の作品も、初期の評を見ると、甘ったるいセンチメンタルな作品という感じでほとんど無視されていた。極めつけは、今や英国を代表する具象・肖像画家とされるルシアン・フロイド(L.Freud)で、祖父があの精神分析の祖のため、こういう姓を持つ。その伝記を読むと、友人であるフランシス・ベーコン(F.Bacon)が、その不気味な人物画の連作によってあっという間に国際的な評価を得たのとは対照的に、フロイドの人物画等は当時の英国界隈では評価があまり芳しくなく、本質的に地方の二流画家という評価が一般的であったという。状況が一転するのは、後に新たな画廊が彼の作品をニューヨークで売り出そうと攻勢に出た時である。すると当時の若手画家の間で強い反響があり、それがきっかけで評価がウナギ登りに高まったのである。」
小松 仁
