なぜイーロン・マスクの宇宙プロジェクトは成功したか 「スペースX」の成功要因にある“モジュール性” (msn.com)

 

「なぜイーロン・マスクの宇宙プロジェクトは成功したか 「スペースX」の成功要因にある“モジュール性”」がちょっと面白い。

 

ベント・フリウビヤ Bent Flyvbjerg/経済地理学者。オックスフォード大学第一BT教授・学科長、コペンハーゲンIT大学ヴィルム・カン・ラスムセン教授・学科長。

「メガプロジェクトにおける世界の第一人者」(KPMGによる)であり、同分野において最も引用されている研究者である。『メガプロジェクトとリスク』などの著書、『オックスフォード・メガプロジェクトマネジメント・ハンドブック』などの編著多数(いずれも未邦訳)。ネイチャー、ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、BBC、CNNほか多数の著名学術誌や有力メディアに頻繁に取り上げられている。これまで100件以上のメガプロジェクトのコンサルティングを行い、各国政府やフォーチュン500企業のアドバイザーを務めている。数々の賞や栄誉を受け、デンマーク女王からナイトの称号を授けられた。

 

「巨大工場の建設は、1つの大きいものをつくるか、つくらないかの二択に思えるかもしれない。だが起業家イーロン・マスクの自動車会社、テスラが建設するギガファクトリー1(現ギガ・ネバダ)は、当初からモジュール方式で設計された。」

 

「マスクのレゴは、小さい工場だ。それを1つ建設して、稼働させる。その隣に2つめを建てて1つめと統合し、3つめ、4つめと増やしていく。テスラはこの方法を取ることによって、巨大施設の建設作業を進める間にも、発表から1年と経たずにバッテリーの生産を開始して、収益を上げ始めた。完成すれば、21のレゴブロックからなる、世界最大の敷地面積を有する工場が誕生する。」

 

「イーロン・マスクはモジュール性の主要要素を、彼のエンジニアリング手法の根幹に据え、まったく異質なベンチャーにもモジュール性を導入している。宇宙輸送とサービスに革命を起こしたマスクの会社スペースXは、テスラと何の共通点もないように見えるかもしれない。

 だが再現可能なモジュール設計によって学習曲線を駆け上がり、実行を加速させ、パフォーマンスを改善する手法は、スペースXの計画立案・実行方式にも織り込まれている。」

 

レゴのように作られた「スペースX」(Sipa USA/時事通信フォト)

 

小松 仁