MIT Tech Review: 1mの希望か、永遠の別れか——沈みゆく故郷、 迫られる住民たちの決断 (technologyreview.jp)
「MIT Tech Review: 1mの希望か、永遠の別れか——沈みゆく故郷、 迫られる住民たちの決断」がちょっと面白い。
ザンダー・ピーターズは生まれ故郷のテキサス州東部在住の作家。ウェイクフォレスト大学の2023年度環境正義ジャーナリズム特別研究員、およびコロンビア大学の2023年度エネルギージャーナリズム特別研究員でもある。ナショナル・ジオグラフィック、クリスチャン・サイエンス・モニター、テキサス・マンスリーなどの出版物に寄稿。
「ルイジアナ州南西部の沿岸は、米国で最も厳しい気候予測に直面し消滅の危機に瀕している。コミュニティの保護により産業を持続することを目標とした、消滅の危機から脱出するための州政府主導のプロジェクトは、この地域を救うことができるのだろうか。」
「家屋をかさ上げする方法は1つではない。
米国ルイジアナ州の低地沿岸部には、海岸線に沿うようにトレーラーハウスや、地域に根ざした独特の建築スタイルを持つクレオール様式のコテージ、その他の住宅が建っており、以前から洪水の危険性が警告されている。それらの住宅の多くは、家屋を基礎から分離し、油圧ジャッキでゆっくりと空に向かって押し上げることができる。仮設の支持梁で家屋を空中に浮かせ、下に新しい高床を組み上げたり、基礎を上に伸ばしたりするのだ。杭で支えられているビーチハウスを見たことがあるかもしれないが、同じような仕組みである。」
「しかし、最も楽観的に見積もっても、南西沿岸プロジェクトが建造物のかさ上げを終えるのは2040年代初頭になる。その頃には、同プロジェクトの根拠となっている洪水レベルが予測されてから、数十年が経過していることになる。」
「問題の1つは海面上昇であり、もう1つはこの地域を襲う雨量の増加である。しかし、その大きな要因となっているのは人間の活動だ。直感に反するが、これには過去の治水活動も含まれる。州内を流れる多数の河川をコントロールするために実施された上流のダム建設や、堤防建設などだ。最近のネイチャー・サステナビリティ(Nature Sustainability)誌の研究によると、ルイジアナ州南東部のミシシッピ川流域では、ダムや堤防といったこの種の建造物の設置が、年間約6.9平方キロメートルの土地の消失につながっているという。さらに、石油・ガス産業のために実施された輸送水路の浚渫も、平野部の主要な堆積物源を湿地帯から遠ざけ、土地の崩壊を許した。一方、こうした治水活動や水路・港湾管理などのシステムは、約7000年かけて湾岸の尾根を築いてきたシェニエを形成する堆積物の蓄積パターンを破壊した。結果として、塩水が内陸に流れ込み、植物の根で土壌を固定していた淡水湿地が破壊された。」
この写真について
ヴァージニア・ハヌジックはルイジアナ州ニューオーリンズを拠点に活動する受賞歴もあるアーティスト、作家、環境擁護者だ。この写真は、景観、文化、建造環境の間の関係性を探求する現在進行中の連続作品の一部である。彼女の著書『Into the Quiet and the Light:Water, Life, and Land Loss in South Louisiana(静寂と光の中へ:南ルイジアナの水、命、土地消失)』(2024年刊、未邦訳)は、コロンビア大学出版から発行されている。
VIRGINIA HANUSIK
小松 仁
