MIT Tech Review: 超越性から優位性、有用性へ:量子コンピューティング、 静かなる革命の足音 (technologyreview.jp)
「MIT Tech Review: 超越性から優位性、有用性へ:量子コンピューティング、 静かなる革命の足音」がちょっと面白い。
マイケル・ブルックス[ Michael Brooks ]
米国版 寄稿者
フリーランス・サイエンス・ジャーナリスト(英国在住)。
「量子計算にエラーを生じさせる「ノイズ」は、量子コンピューター実用化の最大の障壁とされている。だが、ノイズの影響によるエラーを制御する研究が進んでおり、実用化の時期は近づきつつある。」
・量子コンピューティングのノイズ問題解決に向けた研究が進展
・エラー抑制・緩和・訂正などの手法でノイズ対処法の開発が進む
・IBMなどが大規模量子コンピューターの開発を加速させている
「研究者は長年にわたり、少なくとも短期的にはノイズ混じりの回路で間に合わせなければならないと考えてきた。そして多くの研究者が、その限定的な性能の中で何か実用的なことができそうなアプリケーションを探し求めた。このアプリ探しは特に実りあるものにはならなかったが、それももはや重要ではなくなったのかもしれない。この数年で起こってきた理論と実験におけるブレークスルーにより、研究者たちはノイズ問題の解決がついに迫っていると言えるようになった。ハードウェア戦略とソフトウェア戦略のコンビネーションは、量子エラーの抑制、緩和、クリーンアップへの明るい見通しを示している。それは特に洗練されたアプローチではないが、成功しそうに見える。また、それが誰も予想していなかったほどの早さで実現するかもしれないのだ。」
「筋金入りの懐疑派たちでさえ納得し始めている。たとえば、コンピュテーション(計算)へのノイズの影響を研究している、ヘルシンキ大学のサブリナ・マニスカルコ教授だ。同教授は10年前、量子コンピューティングはうまくいかないと切り捨てていた。「根本的な問題があると考えていました。解決策が見つかるのか、確信が持てなかったのです」。だが、今や同教授は、量子システムを用いて光感受性抗がん剤の改良版の設計に取り組んでいる。この抗がん剤は低濃度で効果を発揮し、より害の少ない光で活性化させることができる。彼女はこのプロジェクトがあと2年半ほどで完成すると考えている。マニスカルコ教授は、「量子有用性(quantum utility)」の時代、すなわち、特定のタスクにおいて、古典的なプロセッサーではなく量子プロセッサーを利用するほうが理にかなっているとされるようになる時代の到来がすぐそこに迫っていると考えており、「まもなく量子有用性の時代に突入するという強い確信があります」と話す。」
Peter Garritano
小松 仁
