RIETI - スタートアップとは何か―経済活性化への処方箋

 

RIETI - スタートアップとは何か―経済活性化への処方箋」がちょっと面白い。

 

加藤 雅俊(関西学院大学経済学部教授・同アントレプレナーシップ研究センター長)

 

「社会課題解決や経済活性化をはじめ、スタートアップに大きな期待が寄せられている。日本政府も2022年に「スタートアップ育成5か年計画」を決定し、①人材・ネットワークの構築、②資金供給の強化と出口戦略の多様化、③オープンイノベーションの推進を柱に、スタートアップ・エコシステムの形成に力を入れている。これまでも行政機関による取り組みがなされてきた一方で、スタートアップの創出においては多くの課題が残されている。本講演では、『スタートアップとは何か-経済活性化への処方箋』(岩波書店、2024)を上梓された関西学院大学の加藤雅俊教授に、日本のスタートアップの現状および課題を踏まえつつ、新たな起業を促進し、成長させていくための方途について伺った。」

 

「研究者としては2つのセレクションを見ています。1つは、どういう人が起業家になり、どういう環境でそれがうまく起こるのかということです。もう1つは、スタートアップや起業家が登場した後のセレクションの問題です。誰が成長し、生存し、ユニコーンやガゼルになるのかといった観点で、理論的あるいは実証的に研究をしています。」

 

「また、研究者の言葉で「Liability of Newness(新しさの不利益)」という言葉がありますが、創業間もない頃は新しいからこそさまざまな課題に直面し、退出率が非常に高いことが広く知られています。情報の非対称性などの市場の失敗も顕著になります。スタートアップに対する公的支援の正当性として、経済活性化への貢献だけでは十分ではありません。市場に任せていてはうまくいかないという「市場の失敗」こそが政府が介入する正当性として重要だと思います。」

 

 

小松 仁