MIT Tech Review: 「生成」ではなく「模倣」、大手レコード会社提訴で音楽AIの未来に暗雲 (technologyreview.jp)

 

MIT Tech Review: 「生成」ではなく「模倣」、大手レコード会社提訴で音楽AIの未来に暗雲」 (technologyreview.jp)がちょっと面白い。

 

「大手レコード会社3社が、音楽生成AIスタートアップ2社を著作権侵害で訴えた。専門家は訓練データをめぐる過去の訴訟の中でも、もっともAI企業側が不利なケースと見ており、音楽生成AIの存在そのものが問われることになりそうだ。

 

・AIモデルの訓練データの著作権をめぐり音楽業界が揺れている

・レコード大手3社がAI音楽スタートアップ2社を著作権侵害で提訴

・AI企業は高額なライセンス契約を結ぶか、倒産の危機に直面する可能性も」

 

「理論上は、AI企業がパブリックドメインの音楽のみを使用したモデルを構築すればライセンス手続きを完全に回避することはできるものの、これは至難の業だと言える。テキストや画像生成の領域でも同様の取り組みがある。たとえば、シカゴの法律コンサルタント会社が密な規制文書で学習したモデル、1920年代のミッキーマウス画像で学習したハギング・フェイス(Hugging Face)のモデルなどだ。しかし、これらは小型で目立たないモデルだ。スーノやユーディオがパブリックドメインのデータ(たとえば軍隊行進曲や企業ビデオが使用しているロイヤリティ不要の楽曲など)だけでAI学習を実行した場合、得られるモデルは現在とはかけ離れたものになることだろう。」

 

「テイラー・スウィフトやフランク・オーシャンのように、長期にわたる法廷闘争の末、カタログ原盤を保有するようになったアーティストもいる。そうすればライセンス契約の可能性が出てきた時、主導権を握ることができる。しかし、多くのアーティストは楽曲の著作権のみを保有しており、原盤はレコード会社が保有している。この場合、レコード会社は理論的にはアーティストの許可なしにAI企業に楽曲使用の許可を与えることができるかもしれないが、アーティストとの関係は悪化し、さらなる法廷闘争が引き起こされるリスクが生じる。」

 

Sarah Rogers/MITTIR | Getty

 

小松 仁