スイスの貧困、増えるソーシャル・スーパーの利用者 - NewSphere

 

「スイスの貧困、増えるソーシャル・スーパーの利用者」(NewSphere)がちょっと面白い。

 

「ヨーロッパでは通常のスーパーなどから余剰品を集め、通常価格よりも低価格で販売する「ソーシャル・スーパーマーケット」が広まっている。顧客は低所得者限定だ。」

 

「裕福なスイスにも貧困者が大勢いる

 スイスは銀行や保険業など金融産業が非常に発達した金融国家で、世界で最も裕福な国・地域ランキングで上位にも入る(米グローバル・ファイナンス誌)。日本ではアメリカの物価高がよく報道されているが、スイスも負けないほどだ。

 ボトル入りの水を例に挙げると、レストランで注文する(330ミリリットル)と600円以上だし、店で買う場合(1.5リットル)も170円以上で、ほかのヨーロッパの国々より高い。筆者は、ドイツやフランスなど周辺国から初めてスイスに来た人たちが「値段がほぼ何でも自国の2倍だ」と驚くのをいつも耳にしている。住居費の相場も高い。スイス政府が発表している統計によると、3LDKの新築の平均月額家賃は2138フラン(約37万円)、20年以上住んでいる場合は1313フラン(約23万円)だ。」

 

「物価が高いスイスでは収入も高く、バランスが保たれている。スイス連邦統計局の2015~2017年データの34歳以下の平均生活費を見ると、平均月収は6078フラン(約105万円)で、税金や保険料が引かれて4562フラン(約79万円)になる。この8割近くの3564フラン(約61万円)が住居、食、衣類、交通、交際や余暇活動に使われる。酒類・タバコを除く食費だけを見ると293フラン(約5万円)かかっている。これにアップグレード用の保険料を払ったり寄付もすると、895フラン(約15万円)が貯蓄分として残る。なお、調査対象者の5割以上が車を所有し、ほぼ9割がコンピュータを、およそ全員が携帯電話を持っている。」

 

「これに比べ、貧困に苦しむ単身者が使える毎月の金額は最大2284フラン(約39万円)だ。経済的に豊かな環境にいると低所得者のことにはあまり目が向かないが、人口約870万人のスイスでは、子供も含めて70万2000人が貧困の状態にある。貧困層の一歩手前で暮らしている人も含めると、134万人が経済的に困難ななかで日々過ごしている。(カリタス・マルクト、数値は2022年)」

 

CARITAS SCHWEIZ ©Corinne Sägesser

 

小松 仁