MIT Tech Review: 中国テック事情:スタートアップの主役、ネットから気候テックに (technologyreview.jp)

 

「MIT Tech Review: 中国テック事情:スタートアップの主役、ネットから気候テックに」がちょっと面白い。

 

「中国の産業界において、消費者向け巨大テック企業が世界的な表舞台のスポットライトから退く中で、気候テック企業が隆盛してきている。だが、米国と中国が緊張関係にある現在、こうした企業は米国内で政治的な反感を買いやすい状況にある。」

 

「会議で私は3つの興味深いことに気づいた。

1つは、中国の消費者向けテック企業が明らかに少なかったことだ。ティックトック(TikTok)の米国在住の経営者1人を除いて、アリババ(Alibaba)、バイドゥ(Baidu:百度)、テンセント(Tencent)、バイトダンス(ByteDance)からは、誰も見かけなかった。

 これらの企業は米国では国家安全保障の監視対象になっており、あまり表舞台に出ることは政治的に好ましくないのだ。」

 

「この会議で気づいた2つ目のことは、これらの企業の代わり、つまり、新しい中国企業グループは、そのほとんどが気候系テック企業だったことだ。中国の電気自動車(EV)スタートアップ企業ニオ(NIO)のウィリアム・リーCEO(最高経営責任者)は、今年の会議の開会式で最も人気のあるゲストスピーカーの1人だった。少なくとも3つの太陽光パネル企業が出席していた。JAソーラー(JA Solar )とカナディアン・ソーラーは世界トップクラスのメーカーであり、3社目はラテンアメリカにソーラーパネルを販売している。また、電気自動車やその他の電動化された輸送手段の分野で活動する学者や投資家、さらにはインフルエンサーも大勢いた。」

 

「私がこの会議で最後に注目したのは、テック業界における地政学的な力の高まりである。ここで注目されるのは中東だ。会議の登壇者のうち数人は、サウジアラビアとアラブ首長国連邦で働いており、米国と中国の両方でEVやAI(人工知能)などのテクノロジーに賭けている他の資金力のあるプレーヤーを代表している。

しかし、彼らは緊張関係をうまく乗り切り、双方の技術的優位性から利益を得ることができるのだろうか?

今後の展開を見るのが面白そうだ。」

 

Getty Images

 

小松 仁