MIT Tech Review: 走るから歩くへ、強化学習AIで地道に進化する人型ロボット (technologyreview.jp)

 

「MIT Tech Review: 走るから歩くへ、強化学習AIで地道に進化する人型ロボット」 (technologyreview.jp)がちょっと面白い。

 

「二足歩行の人型ロボットはパルクールなどの派手なデモ動画が話題になることが多い。だが、実用化にはもっと基本的な動作を実行できる地道な進化が必要だ。」

 

「オレゴン州立大学のアラン・ファーン教授(コンピューター科学)らの研究チームは、立つ、歩く、箱を拾う、ある場所から別の場所に移動するといった動作を、人型ロボット「Digit V3(ディジット V3)」に学習させることに成功した。一方、カリフォルニア大学バークレー校の別の研究者グループは、Digitが不慣れな環境でもいろいろな荷物を運びながら転倒せず、歩行する方法を学習させることに重点を置いた研究成果を発表。サイエンス・ロボティクス(Science Robotics)誌に論文として掲載された。」

 

「どちらのグループも、Digitのような二足ロボットの訓練法として急速に普及している「Sim-to-Real(シム・トゥ・リアル)強化学習」と呼ばれるAI手法を使用している。研究者はこの手法により、周囲とより安全に関わることができる、堅牢で信頼性の高い二足歩行ロボットを開発し、より迅速にロボットを訓練できるようになると考えている。

 「シム・トゥ・リアル強化学習」では、AIモデルを訓練し、シミュレーション環境で何十億回も特定タスクを遂行させてから、そのモデルを利用したロボットが現実世界でタスクを遂行できるようにする。実生活ではロボットが学習するのに何年もかかることも、シミュレーションで試行錯誤を繰り返すことでわずか数日で完了する。」

 

「強化学習は「この種の操作スキルを訓練する、より柔軟かつ迅速な新手法」になるとファーン教授は言う。ファーンとそのチームは、今年5月に日本で開催される「ICRA」(ロボット工学とオートメーションに関する国際会議)で研究成果を発表する予定だ。

 「最終目標は、棚から箱を持ち上げて別の高い棚に押し込むといった目的タスク動画を人間がロボットに見せることで、ロボットはそれ以上の指示を必要とせず、それを実行できるようになることです」(ファーン教授)。」

 

Alan Fern via Twitter

 

小松 仁