量子コンピュータースタートアップへの投資総額、過去最高 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

「量子コンピュータースタートアップへの投資総額、過去最高」(日本経済新聞)がちょっと面白い。

 

「世界で量子コンピューター分野のスタートアップに対する期待が高まっている。この分野のスタートアップによる2023年のエクイティ調達額は前年比20%増の13億ドル(約2000億円)と過去最高を記録した。調達数も過去最多となり、5億ドルを調達したメガラウンドも。米英中を中心に世界で盛り上がるが、大半のスタートアップはアーリーステージ(初期)にとどまる。課題の実用化のハードルを突破するスタートアップは現れるか。この分野のスタートアップへの投資状況をCBインサイツがまとめた。」

 

「従来のコンピューターとは根本的に異なる方法で情報を処理する量子コンピューティングはまだ開発途上の技術だが、各社は人工知能(AI)モデルの効率的な学習、モデル化が難しい化学反応のシミュレーション、複雑な物流問題の速やかな解決など、様々な領域での活用を目指している。

 各国政府も注目している。数十億ドルの公的支援でこの技術の商用化に意欲を示す一方、現在のオンライン通信を支えている公開鍵暗号方式が量子コンピューティングで解読される可能性を懸念している。」

 

「23年における量子コンピューティング分野の全てのラウンドのうち、アーリーステージ(初期)のスタートアップによる案件は74%を占めた。もっとも、19年の86%からは減っており、この分野がこの5年で徐々に成熟していることがうかがえる。

 アーリーステージの案件がなお圧倒的に多いのは、量子コンピューティングが商業的に成功するまでに解決すべき技術的課題がまだ多くあることを示している。現時点では勝者を予測するのは難しく、様々な方式が業界の標準を目指してしのぎを削っている。ある方式でブレークスルーが続き、スタートアップが時代遅れの代物を開発していることに気付けば、市場の再編が一気に進む可能性がある。」

 

「各社が力を入れている分野は様々だ。例えば、米メイベル(Maybell)は量子コンピューティングのハードウエアの部品を手がけ、フランスのQuoblyは既存の半導体工場で製造できる量子チップの開発に取り組んでいる。一方、米ストレンジワークス(Strangeworks)は企業の量子ソフトウエアのアプリケーション構築を支援する。」

 

「23年にメガラウンドを果たしたのは以下の4社だった。

・量子ソフトウエアの米サンドボックスAQ(SandboxAQ):シリーズA、調達額5億ドル

・量子コンピューターと量子ソフトウエアを開発する統合型量子コンピューティング企業、米クオンティニュアム(Quantinuum):エクイティラウンド、同3億ドル

・量子コンピューターメーカーの英オックスフォード・クァンタム・サーキッツ(Oxford Quantum Circuits):シリーズB、同1億ドル

・量子コンピューターメーカー、フォトニック(Photonic、カナダ):シリーズA、同1億ドル」

 

5億ドルを調達した米サンドボックスAQ(SandboxAQ)は耐量子暗号技術などを手掛けている=同社サイトから

 

 

 

 

 

小松 仁