触覚センサー特許分析、注目は新興2社 ロボットに新風 - 日経テックフォーサイト (nikkei.com)

 

「触覚センサー特許分析、注目は新興2社 ロボットに新風」(日経テックフォーサイト)がちょっと面白い。

 

酒井美里(さかい・みさと)氏

スマートワークス代表取締役。1991年、セイコーエプソン入社。特許部門で出願権利化業務に従事。1994年、エプソンインテリジェンスに出向し、特許調査業務や社内研修に従事。2005年、スマートワークス設立。2007年、第1回特許検索競技大会(主催は現IPCC)で優勝。2018年、特許情報普及活動功労者表彰 特許庁長官賞受賞。2018年から奈良先端科学技術大学院大学技術移転専門アドバイザー。著書は「日本でできる韓国特許調査」や「特許調査入門」など。

 

「今回は「触覚センサー」について、新進気鋭のスタートアップが保有する特許を分析し、今後の動向を展望した。触覚センサーは、ロボットの高性能化や多機能化に欠かせない技術として関心が高まっている。

触覚センサーが重要な役割を果たしている例として配膳ロボットが挙げられる。最近、飲食店で配膳ロボットを目にする機会が増えた。配膳ロボットは、近年の人手不足や新型コロナウイルス感染症拡大などを背景に普及が進んでいる。例えば、外食大手のすかいらーくホールディングスは2021年に配膳ロボットの導入を開始。翌2022年末時点で、全国約2100店舗に3000台を導入した。」

 

「触覚センサーは大きく、非接触式(近接覚センサー)と接触式(狭義の触覚センサー)の2種類がある。接触式には様々な種類があり、物をつかんだ感覚、温度、質感、滑り角なども検出できる。

 現在の触覚センサーには「検出距離が短い」「対象物の形状や材質への依存度が高い」といった共通の課題がある。また、最近のロボットでは複数の触覚センサーを搭載したいというニーズが強いが、処理部と各センサーを個別に配線するスター型だと重量が増えてノイズが発生する一方、直列に配線するバス型だと遅延が生じるというジレンマを抱えている。

このような課題に対して、大きく2つのアプローチがあるといわれている。1つは、センサー自体の改良で検出性能を高めて、コストを下げること。もう1つは、センサーの制御方法やアルゴリズムなどを改善し、遅延などを軽減することである。」

 

 

中国のスタートアップである帕西尼感知科技は触覚センサーだけではなく、触覚センサーを搭載したロボットハンドや人型ロボットの開発も手がける(出所:帕西尼感知科技)

 

小松 仁