MIT Tech Review: グーグルの失敗から10年、AR新時代を牽引する微細ピクセル技術の進化 (technologyreview.jp)
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「拡張現実(AR)ヘッドセットとして鳴り物入りで登場したグーグル・グラスは、不発のまま10年後に販売終了した。だが、マイクロLEDやマイクロ有機LEDといった小さなピクセルが生む大きな変革は、今度こそARグラスの新時代を開くかもしれない。」
「あれから10年以上経つ現在、グーグルが想定した未来、そしてそれ以上のものが現実になる寸前となっている。指先に載るほど小さな新しいディスプレイのいくつかは、マイクロLEDやマイクロ有機LED(OLED)を搭載しており、最も強烈なAR懐疑論さえ覆す可能性のあるヘッドセットを提供できるようになった。
サイバーパンク的な外観は変わらないかもしれないが、2024年にリリース予定のアップルの「ビジョンプロ(Vision Pro)」がこの変化を主導することになるだろう。スキーゴーグルを連想させる完全密閉型ヘッドセットは、同社が「空間コンピューティング」と呼ぶ、拡張現実(AR)と実質現実(VR)の混合を目的としている。」
「本当のイノベーションは内部にある。切手ほどの大きさしかないマイクロOLEDディスプレイのペアが、わずか3.3cm四方の画面に4K解像度を搭載している。各ディスプレイには、わずか6.3マイクロメートル(μm)間隔で配置された1100万を超える画素が含まれている。これは、ヒトの赤血球の直径よりも小さい。」
「マイクロOLEDとマイクロLEDディスプレイは細部が異なるものの、その製造工程には大まかな類似点がある。それは、構造と電力を提供するシリコン製の「バックプレーン」と可視光を作り出すディスプレイ「フロントプレーン」を組み合わせるということである。マイクロOLEDとマイクロLEDは、使用されるフロントプレーンの種類にちなんで命名されている。マイクロOLEDディスプレイには電流の印加に応じて発光する有機材料の層が使われており、マイクロLEDには半導体の材料から作られた非常に小さな発光ダイオードの配列(アレイ)が使われている。」
「マイクロLEDディスプレイ技術はマイクロOLEDほど成熟していないが、その可能性は魅力的である。マレーCEOは「マイクロLEDはあらゆる意味でベストとなっています」と述べる。「最高のディスプレイ品質があり、長寿で、焼き付きの問題がなく、制御可能な高輝度を備えています。まさに未来の向かうべき行方です」。」
「ARにはまだ「アイフォーン(iPhone)モーメント」が必要だ。つまり、魅力的なメリットを提供する、使いやすいデバイスの登場である。より良いディスプレイによって、ARが広く採用される日が来るなら、ARは明るく鮮明で説得力があり、そして何よりも使いやすいものになるだろう。」
Courtesy of Apple
小松 仁
