Modern Times | テクノロジーがスキルを奪う。丸投げの危険性

 

「Modern Times | テクノロジーがスキルを奪う。丸投げの危険性」がちょっと面白い。

 

・GPSは方向音痴を悪化させる

 

頭の中で物体をぐるぐる回したらどうなるかを想像する(メンタルローテーション)スキル、いわゆる空間認知スキルが関連していました。道がわからないからGPSを使うのに、GPSを使う頻度が高くなると空間認知スキルが低くなり、空間認知スキルが下がるからさらに新しい道が覚えられなくなる、という悪循環があるようです。

 

・写真を撮ると記憶から消える

 

写真を撮るために追加の観察時間が与えられたこの場合でも、写真撮影された美術品は、観察されただけの美術品に比べ、あまり記憶に残っていませんでした。写真を撮ったことで――つまり外部記憶装置に覚えておくべき情報が残っていると思うことで――見たものを忘れてしまうのですね。

 

・情報がどこかにあるなら記憶から消す

 

スパロウ氏はさらに、メモしておくと記憶しにくくなるように、「いつでもGoogleで検索できる」と思うと記憶しにくくなるのではと指摘し、これを「記憶におけるGoogle効果」と呼んでいます。以前、Google検索で正解した知識テストの回答を、自分が元々持っていた知識だと思い込んでしまう「Google効果」についてもご紹介しました。Googleはずいぶん人間の認知活動に影響をしているのだなぁと考えさせられます。

 

・家計をパートナーに任せきると金融スキルが落ちる

 

ワルド氏は、カップルにおける家計責任者と非責任者を比較しました。実は、金融スキルがあるから家計責任者になるというわけではないようで、関係初期には家計に責任を負っているかどうかで金融スキルに差はありません。ところが、関係が長くなっていくにつれ、家計責任者の金融スキルは徐々に向上していき、一方非責任者の金融スキルは向上しないか、まったく無責任でいられる場合にはむしろ金融スキルが低下していたというのです。

 

(写真:Universtock / shutterstock)

 

小松 仁