RIETI - 日本企業のAI導入と生産性:スピルオーバー効果とイノベーション効果

 

 

「RIETI - 日本企業のAI導入と生産性:スピルオーバー効果とイノベーション効果」がちょっと面白い。

 

池内 健太(上席研究員(政策エコノミスト))

乾 友彦(ファカルティフェロー)

金 榮愨(専修大学)

 

「本研究では、経済産業省『企業活動基本調査』、東京商工リサーチの企業間取引データ、日経プレスリリースデータ、知的財産研究所のIIPパテントデータベースなどの情報を用いて、企業のAI導入がそのパフォーマンスに与える影響を分析している。また、自社の研究開発によって生み出されるAI関連特許導入に加え、本研究では、AIを導入する取引先企業(サプライヤーとカスタマー)を通じた影響も考慮しながら分析を行う。

また、AIは生産過程での効率を高める(プロセスイノベーション)だけでなく、新製品の創出や既存製品の付加価値向上(プロダクトイノベーション)をもたらす可能性がある。例えば、世界的な電気自動車メーカーであるTeslaの電気自動車は、AIによる高度な自動運転システムを搭載している。そのシステムは実運転から出てくるデータをもとに改良され、頻繁にアップデートされる。自動運転システムは有料で提供され、グレードもいくつかに分けられている。このシステムは、Teslaの自動車を他のメーカーの車から差別化し、Teslaの価値を高めると考えられる。

このようなものによるアウトプットの増加は、生産性の上昇によるものではなく、AIによるプロジェクトイノベーションの結果である。本研究では、AIがプロダクトイノベーションに与える影響をも分析する。」

 

図2 日本のAIコア発明とAI適用発明の推移

 

小松 仁