核融合発電で先陣 米CFS「30年代初めに商用化」 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

核融合発電で先陣 米CFS「30年代初めに商用化」」(日本経済新聞)がちょっと面白い。

 

「次世代エネルギー技術である核融合発電の実用化へ向けたベンチャー企業の研究開発が加速している。世界の先頭集団にいる米コモンウェルス・フュージョン・システムズ(CFS)は高性能超電導磁石を使い、2025年に小型炉「SPARC」を稼働させるメドがついたという。同社のボブ・マンガード最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞の取材に応じ、「30年代初めには商用炉を実現できる」と自信を見せた。技術的な課題はクリアできるとしたうえで、過度の規制が実用化を阻む懸念があるとの見方を示した。」

 

「CFSは2018年に米マサチューセッツ工科大学(MIT)からスピンアウトして発足した。20億ドル(約2700億円)以上の資金を集め、すでに450人以上の人員を擁する。半数以上が科学者や技術者だ。米スペースX、テスラ、グーグル、米航空宇宙局(NASA)などから優れた人材が集まってきた。航空宇宙、再生可能エネルギー、自動車産業などの技術は、核融合発電にも生かせる。米国では有力大学で関連分野を学びたいと希望する学生が増えているが、教育の充実が課題だという。」

 

「CFSが開発するのは強力な磁場のなかにプラズマを閉じ込めるトカマク型核融合システムで、強力な磁場を作る心臓部の磁石にはレアアース(希土類)、バリウム、銅の酸化物などからなる高温超電導線材を使う。液体窒素中で超電導になる。フジクラから調達したカスタム製品を使い、わずか5年で高電流・高磁場を達成できる実用レベルに仕上げた。「これこそがベンチャーならではのスピードだ」(マンガード氏)。温暖化対策の加速が叫ばれるなか、エネルギー転換などの分野への投資が活発化し、技術の進展とあいまって核融合の実用化機運が高まったのを実感するという。」

 

 

小松 仁