MIT Tech Review「 高齢者に運動なぜ必要? 筋肉が脳を健康に保つ仕組み」 (technologyreview.jp)がちょっと面白い。

 

 

「筋肉と脳の間では、分子レベルで強力な対話が交わされている。加齢に伴う、認知症やその他の脳の疾患を避けるには適度な運動を続けることが大切だ。」

 

「骨格筋は身体を動かすための筋肉の一種で、人体における最大の器官の1つだ。骨格筋は、身体の他の部分に移動して物事を実行するように伝える『シグナリング分子』を放出する内分泌組織でもある。骨格筋から脳を含む他の組織にメッセージを伝達するタンパク分子のことを、マイオカインと呼ぶ。」

 

「マイオカインは、筋肉が収縮したり、新しい細胞を生成したり、その他の代謝活動をしたりする際、血流に放出される。マイオカインが脳に到達すると、そこで生理学的反応や代謝反応を調整する。その結果、マイオカインは認知、気分、感情的な振る舞いに影響を与える。科学者が言うところの筋肉と脳の『おしゃべり』は、運動によってさらに刺激され、マイオカイン・メッセンジャーは脳内における特定の有益な反応の決定に役立つ。マイオカインには新しいニューロンの形成やシナプス可塑性を高める作用も含まれており、学習と記憶を促進することができる。」

 

「適度な運動でも、高齢者の学習と記憶に重要な脳領域の代謝を高められる。また、脳自体が驚くほど物理的な形で運動に反応することが分かっている。学習と記憶に重要な役割を果たしている脳を形成する海馬は、成人期後期に収縮するため、認知症のリスクが高まる可能性がある。運動によって海馬のサイズが大きくなることで、晩年の加齢に伴う収縮を防ぐとともに、空間記憶が改善されることが証明されている。」

 

MIT Tech Review: 高齢者に運動なぜ必要? 筋肉が脳を健康に保つ仕組み (technologyreview.jp)

 

IT起業研究所ITInvC 代表小松仁