「繰り返されるWeb3、ITエンジニアはなぜ非中心を夢見る」( 日本経済新聞)がちょっと面白い。
「ここで整理しておきたいのが、IT(情報技術)におけるDecentralized(非中心)とDistributed(分散)の違いだ。技術者の間でも明確なコンセンサスはないが、この記事では便宜上、ざっと以下のような意味だと定義しておく。
分散:複数のリソースを連携させた情報処理。負荷軽減、耐障害につながる。
非中心:権限とリソースが1つの主体に集中していない情報処理。分権、トラストレス、匿名性につながる。」
「2つの違いとして重要なのは、非中心を実現するには分散型のシステムは不可欠だが、分散型のシステムは必ずしも非中心を保障しない点だ。
仮に非中心の世界を目指して分散型のアーキテクチャーを採用しても、ネットワーク効果や資本の論理のため、ビジネス構造としては中央集権化することがある。
ウェブページを作成する言語HTMLとウェブサーバー、ウェブブラウザーがもたらした90年代のWeb 1.0は、コンテンツ流通の側面からいえば『配信者(メディア)の破壊』だった。」
「Web 3.0にひかれるエンジニアの夢が『中央集権からの脱却』にとどまり、ユーザーニーズの追求がおそろかになれば、メジャーな存在になるのは難しいだろう。ブロックチェーンとひもづいたWeb 3.0という言葉はいずれ消失し、別の意味を持つ『Web 3.0』に取って代わられるかもしれない。」
「Web 3.0と呼称されるブロックチェーン関連のサービスが幅広いユーザーや一般社会に受け入れられるようになるには、少なくとも2つの要件を満たす必要がある、と筆者は考えている。
1つは、チェーンの『外側』にいるプレーヤーの透明性を高める枠組みをつくることだ。パブリックブロックチェーンは取引の透明性を確保する一方、チェーンの運営者やトークン発行者の透明性は担保してくれない。このことが、詐欺的ないしセキュリティーの甘いプロジェクトの温床になっている。」
「Web 3.0がユーザーに受容されるのに必要なもう1つの要素は、非中心という特性が、エンジニアの理想を超え、一般ユーザーのニーズに合致するものになることだ。
非中心そのものが一般ユーザーのニーズに沿うサービスとは何か。記者が期待するのが、ゲームやアニメなどのIP(知的財産)にひもづく形でファンコミュニティーに向けたサービスである。」
繰り返されるWeb3、ITエンジニアはなぜ非中心を夢見る: 日本経済新聞 (nikkei.com)
IT起業研究所ITInvC 代表小松仁
