「テスラ車のように進化する家 米国で挑む日本人創業者」(日本経済新聞)がちょっと面白い。
さまざまなセンサーや機器を搭載し、ソフトウエアアップデートで更新し続ける。まるで米テスラの電気自動車(EV)のような住宅づくりに挑んでいるのが、米シリコンバレーのスタートアップ企業HOMMAだ。ソニー(現ソニーグループ)で新規事業などを手掛け、楽天(現楽天グループ)の幹部だった本間毅氏が2016年に創業した。同社が手掛ける住宅の特徴や今後の事業戦略などについて聞いた。
HOMMA創業者の本間毅(ほんま・たけし)氏(撮影:日経クロステック)
1974年鳥取生まれ。中央大学在学中の97年に、ウェブ制作・開発を手がける「イエルネット」を設立。ピーアイエム(後にヤフージャパンに売却)の設立にも関わる。2003年ソニーに入社し、ネット系事業戦略部門やリテール系新規事業の開発を経て、08年5月から米西海岸に赴任。電子書籍事業の事業戦略に従事した後に、楽天に入社。12年2月に同社執行役員に就任し、デジタルコンテンツのグローバル事業戦略を担当した。退任後、16年5月にシリコンバレーでHOMMAを創業し、現職。米カリフォルニア州サウスサンノゼ在住。
「米国に来て痛感したのが、日本企業の存在感の低さ。しかも日本は少子高齢化で市場は小さくなり、存在感が薄れる一方です。だからこそもっと海外に出ないといけない。そんな問題意識をずっと持っていたので、楽天の海外進出を手伝いたいと思いました」
「楽天時代、米国のさまざまなスタートアップ企業と付き合うようになり、彼らの勢いに圧倒されました。学生時代に創業しましたが、シリコンバレーのスタートアップ企業は、ライフスタイルや社会まで変えてしまおうという気概を持っています」
「宅内の機器連携だけでなく、センサーなどで検知した住宅の状況を基に、修理や清掃、商品配送、出前といったサービスとも連携させたいと考えました。このコンセプトを我々は『スマートオーケストレーション』と呼んでいます。こうした付加価値を価格に上乗せし、周囲の住宅価格に比べて1~2割ほど高い『プレミアム』帯で販売することを目指しました」
「ONEやMount Taborといった、我々が手掛ける物件は、『フラッグシップ』として1年に1つというペースで立ち上げていくつもりです。まだ詳細を話せませんが、次の計画も決まっており、土地も取得済みです」
「ここで培ったソフトウエアやノウハウをプラットフォームとして、外部のホームビルダーやデベロッパーにライセンスし、事業をスケールさせたいと思っています。ライセンス事業は米国から始めますが、いずれ日本でも展開したい。10年後には、何十件単位のコミュニティー全体も手掛けるつもりです」
新型コロナ: テスラ車のように進化する家 米国で挑む日本人創業者: 日本経済新聞 (nikkei.com)
IT起業研究所ITInvC 代表小松仁
