(伊藤穰一)Web3は、日本にチャンスがある 」(newspicks.com)がちょっと面白い。

 

伊藤穰一。インターネットの黎明期から、四半世紀以上にわたり、テクノロジーの進化を最前線で観察し、体現してきた人物である。

この業界のアップダウンを全て経験してきた伊藤が語るWeb3の可能性とは?そして、そこで日本が発揮できる強みはあるのか。その洞察のすべてを語ってもらった。

 

「Web3では、ビッドコインやイーサリアムなど、プロトコルレイヤーにすごくお金が集まっているんですよ。お客さんのオーナーシップ(所有権)がアプリケーションレイヤーからプロトコルレイヤーに移ったということです。

これはすごく大きい変化だと思います。

バブルが弾けたとしてもアーキテクチャ自体はなくならないし、その構築のために作られた技術も残りますからね。」

 

「今回のNFTで見ていると結構若くて、変わっているようなアーティストたちにもお金が入っていますし、それを他のアーティストたちに使ったりしていますから、リソースの循環としてはすごくいいと思います。

ですが結局Web3でもこれまでと似たようなことが起きています。

Bored Apesなど面白いプロジェクトはいろいろあり、私もコミュニティが好きだから入ったんですよ。ですが、Bored ApesのNFTを買った時でももう7000ドルぐらいして、それを払える人しかコミュニティに入れないわけです。」

 

「今後もまた誰かがビジネスモデルを考えて、権力を牛耳って、集権化に向かっていく可能性は絶対あると思います、実際、FacebookがMetaに改名したプランは、Web3を自分たちのものにしようということじゃないですか。

本来伸びるはずのベンチャーなどからのエネルギーをMetaが吸い上げてしまう可能性は十分あります。そういうのをどう食い止めるか、どう闘うかとか準備はしなければいけない。」

 

「イーサリアムの仕組みが今年の6月から現在の大量のマイニングが必要なPoW(Proof of Work)からPoS(Proof of Stake)になり、そうすると1000分の1ほどの排出量になるはずです。

それでイーサリアムが生き残れば、Instagramよりも炭素のフットプリントが小さくなります。

ビットコインも、マイニング施設を再生エネルギーで作っていると、余っている時にそのエネルギーをビットコインで吸い上げてお金に換えられます。そして換えたお金は今度は再生エネルギーのシステムに投資することもできる。

やはり環境問題を意識している人たちからのプレッシャーもあるので、いろいろな提案が挙がってきていますね。」

 

「(もう一つの流れとして、Web3ではシリコンバレーに集中していたものが分散化していく可能性は?)

 

私はあると思います。Web1.0、2.0でブレイクしそうでしてこなかったコンテンツやアートの文脈でWeb3が今ブレイクしていますからね。文化やアートというと、ニューヨークやマイアミだと思うので。

シリコンバレーは文化ゼロですからね(笑)。ただ、VCとテクノロジーがあるので、何度も終わりと言われながら、勝ち続けているのも事実です。

その点で日本はチャンスだと思っています。ジャニーズなどを見れば分かるように日本はやはりカルチャーやファンの扱い方がうまいですから。

ゲーム業界もそうですね。多くのゲームはアメリカで発明されますが、日本でブレイクして、もう一度アメリカに戻るというパターンが多いです。」

 

「(最後に、今回のWeb3の波の中で、日本ができること、伊藤さん自身がやりたいと思われていることがあったら教えてください。)

 

日本は、製造業の時代は、トヨタやソニーなどの企業がプロダクトや技術をグローバルに打ち出せました。その時代みたいに日本のブランドで新しいアートや文化を中心に今度のNFTの波で作れたらいいなと。

その頃と違って、国全部を動かす必要はありません。

今回のWeb3でそういうサブカルチャーの人たちが、大きな会社と組まなくても、いろんなものをつくってグローバルなマーケットに出て行けたらいい。」

 

「ですから、もう少し仕事のあり方や、プロダクトの作り方を非中央集権化していく必要があるし、また同時にクリエイティブの人たちが、もうちょっと技術を自分でいじることも重要です。

昔の(ホンダ創業者の)本田宗一郎さんの有名な写真があるんですが、バイクが通っているとき、本田さんが手を地面につけているんです。創業者自らエンジン音で何がおかしいか全身で感じ取っている。下の人たちに任せていないんだよね。

やっぱりその技術をちゃんと体で分かっている人たちがコンテンツやものを作っていくことは重要です。

日本にはメディアアーティストもいますし、ストリートアートの人たちって技術好きだったりするので期待しています。」

 

森川 潤

NewsPicks NY支局長

『グリーンジャイアント』ベストセラー販売中(https://linktr.ee/junmori)  米国生まれ。トロント大学留学、京都大学文学部卒業後、産経新聞を経て、2011年週刊ダイヤモンド、2016年にNewsPicksに参画。テクノロジー、エネルギー、カルチャーをカバー。2019年から副編集長、ニューヨーク支局長。Quartz Japanの創刊編集長。  主な著書に「アップル帝国の正体」(共著、文藝春秋)、「誰が音楽を殺したか」(共著)。主な担当特集は「クリエイターエコノミー」「ゲノム新時代」「ノーコード」「今年は学ぶ 脱炭素」など。  動画作品として「88rising、世界を『アジア色』に染める男たち」https://www.youtube.com/watch?v=PsNlfXr_wX8&t=

 

【伊藤穰一】Web3は、日本にチャンスがある (newspicks.com)

 

IT起業研究所ITInvC 代表小松仁