「高電圧EV、1キロボルト目前 対応避けられぬトヨタ(日本経済新聞)」がちょっと面白い。
「電気自動車(EV)の電池電圧を現状の2倍となる800ボルト以上に高める取り組みが欧米中で加速している。焦点はどこまで広がるか。高級車にとどまるのか、それとも大衆車まで広がるのか、見方は分かれる。一方で電圧倍増を追い風に、電力制御に使うパワー半導体として現状のシリコン(Si)からシリコンカーバイド(SiC)への置き換えが進む。様子見の日本勢だが、早晩対応を迫られる。」
「EVに搭載するリチウムイオン電池の電圧は通常400V前後である。2倍以上に高める最大の狙いは、EVの課題である充電時間を短縮することだ。電池容量の拡大競争が激しくなっていることが背景にある。」
「独ポルシェが2020年にEVタイカンを発売したのを皮切りに、同アウディや韓国・現代自動車、米ゼネラル・モーターズ(GM)が相次いで800V対応EVの投入を発表した。独ダイムラーも検討しており、高級車の標準になる勢いだ。
日本勢ではドイツ高級車と競合するレクサスを抱えるトヨタ自動車が、800V化への対応は避けられないとの見方が強まっている。」
「高級車では、容量100kワット時(Wh)超の電池を搭載するEVが登場し始めた。独ボッシュの予測によると、75k~100kWhの大容量電池を搭載したEVの比率が25年に20%に達し、28年には32%に拡大する。
大容量化で航続距離を伸ばせる一方、充電時間は長くなる。ユーザーの不満を抑えるのに800V化が必須というわけだ。」
「800V化の潮流は、インバーターの中核部品であるパワー半導体の主役が交代する契機にもなり得る。ボッシュやZF、ヴィテスコは800Vインバーターのスイッチング素子として、SiCのMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)を採用する考えだ。25年ごろには、現在主流のSiのIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を搭載したインバーターに比べて、高効率化と低コスト化を両立できると見込む。」
800Vに対応したGMの「ハマーEV」(出所:ゼネラル・モーターズ)
高電圧EV、1キロボルト目前 対応避けられぬトヨタ: 日本経済新聞 (nikkei.com)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC068NP0W1A001C2000000/?n_cid=NMAIL006_20211013_H
IT起業研究所ITInvC 代表小松仁
