MIT Tech Review「統合情報理論が解き明かす『意識』とは何か?」がちょっと面白い。
筆者のクリストフ・コッホ博士は、シアトルにあるアレン脳科学研究所(Allen Institute for Brain Science)マインドスコープ・プログラムの首席科学者。
「汎神論とは、人間や動物だけでなく、木や植物、バクテリアなど、宇宙のいたるところに意識が存在すると考える思想だ。汎心論者は、素粒子の中にも心が部分的には存在すると考えている。意識が広く行き渡っているという考えは、多くの人にとって知的、そしておそらく感情的な理由から魅力的だ。しかし、それは経験的に検証できるのだろうか?意外なことに、できるかもしれない。なぜなら、最も人気のある意識についての科学理論の一つである『統合情報理論(IIT:integrated information theory)』は、すべてではないにせよ、多くの特徴を汎心論と共有しているからである。」
「IITでは、システムの統合情報という独自の数量を定義しており、ギリシャ文字のφ(ファイ)で表される。φがゼロの場合、システムは何も感じない。実際、システムは構成要素に完全に還元されるため、全体としては存在しない。φが大きければ大きいほど、システムはより意識的であり、より還元されないものとなる。システムの正確で完全な記述があれば、IITは経験の量と質の両方を予測する(もしあれば)。IITでは、人間の脳の構造上、人間はφの値が大きく、動物はより小さい(しかし正の)値を持ち、古典的なデジタル・コンピューターはほとんどゼロであると予測している。」
「この手法は、米国やヨーロッパの多くの臨床センターで研究されている。さらに、ヒト、ヒト以外の霊長類、マウスの脳内における感覚意識が存在する範囲の位置とタイミングについて、IITの予測を検証するテストも実施されている。
汎心論とは異なり、IITの驚くべき主張は経験的に検証できる。もしそれが検証に耐えるものであれば、哲学が生まれて以来、哲学者を悩ませてきた結び目を解く方法を、科学が見つけたことになるかもしれない。」
Andrea Daquino
MIT Tech Review: 統合情報理論が解き明かす「意識」とは何か? (technologyreview.jp)
https://www.technologyreview.jp/s/255122/is-everything-in-the-world-a-little-bit-conscious/
IT起業研究所ITInvC 代表小松仁
