一橋ビジネススクール教授の楠木建さんが、「『ずるずる読書』 『これは!』と思えば全部読む。」(Executive Foresight Online)と話しているのがちょっと面白い。
「本を読むことが好きな人によくあることだと思いますが、これは!と思った人や出来事について、関連する本を立て続けに読む、あるいは全部読むという読み方があります。これを私的専門用語で『ずるずる読書』とよんでいます。『多面的読書』と言ってもよいでしょう。」
「女優時代の高峰秀子さんの作品や演技についての一般的な評論なども次から次へとずるずると読みます。
そうすると、一緒に暮らしているというと大げさかもしれませんが、日常の生活や仕事の中でも何か自分の心のどこかにいる高峰秀子さんと対話できるような気がしてきます。生活の仕事の師として、高峰さんがそばにいてくれるような状態に近づきます。これが非常にありがたい。読書の究極の効用だと思います。」
「ずるずる読書はひとつの事柄や人物を追いかけるという読み方です。人間と人間の世の中を多様な視点から見ることによって、本質に接近する――読書の醍醐味のひとつだと思います。」
楠木 建
1964年東京生まれ。幼少期を南アフリカで過ごす。一橋大学大学院商学研究科博士課程修了(1992)。一橋大学商学部専任講師、一橋大学商学部助教授、一橋大学イノベーション研究センター助教授、ボッコーニ大学経営大学院(イタリア・ミラノ)客員教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授、2010年より現職。
著書に『逆・タイムマシン経営論』(2020,日経BP社)、『室内生活 スローで過剰な読書論』(2019、晶文社)、『すべては「好き嫌い」から始まる』(2019、文藝春秋)、『「好き嫌い」と才能』(2016、東洋経済新報社)、『好きなようにしてください:たった一つの「仕事」の原則』(2016、ダイヤモンド社)、『「好き嫌い」と経営』(2014、東洋経済新報社)、『戦略読書日記』(2013、プレジデント社)、『経営センスの論理』(2013、新潮新書)、『ストーリーとしての競争戦略:優れた戦略の条件』(2010、東洋経済新報社)などがある。
楠木建流「ずるずる読書」-その1 「これは!」と思えば全部読む。 - Executive Foresight Online:日立 (hitachi.co.jp)
IT起業研究所ITInvC 代表小松仁
