経済産業研究所RIETIの「ロボット品質の計測:品質改善のペースは鈍化しているのか?」がちょっと面白い。
木本 遼 (慶應義塾大学)
白塚 重典 (慶應義塾大学)
代田 豊一郎 (北海道大学)
藤原 一平 (ファカルティフェロー)
「本研究では、日本ロボット工業会が作成する『ロボット産業需給動向』と日本銀行が作成する『企業物価指数』を用いて、1990年から2018年の間に、日本において、ロボットの品質向上がどの程度進展したのかを計測する。まず、ロボット産業需給動向を用いて、品質未調整のロボット価格指数を、3つのアプローチ(指数論アプローチ、確率アプローチ、構造アプローチ)から作成する。次に、この品質未調整価格指数を、企業物価指数の産業用ロボット価格指数(品質調整済み)で割り込むことにより、ロボット一台あたりの品質を計測する。」
「指数論アプローチから試算されたロボット1台あたりの品質の推移を示している(他の2つのアプローチからも同様の傾向がみて取れる)。これによると、2010年以降、ロボット1台あたりの品質改善ペースが大きく鈍化ないし低下している。2010年代には、ロボット1台あたりの品質改善率が、2000年代に比べ、年率でみて3%ポイント程度低下しているとの結果が得られた。」
「ただし、さまざまな仮定に基づく試算であるため、結果には一定の留意が必要である。さらに、ソフトウェア(アルゴリズムを含む)の進歩などに伴う、ロボットの活用範囲の拡大といった点は、本分析では、捉えきれていない。こうした無形資産(intangible capital)からのサービス・フローをどのようにして計測するかは、今後の課題として残されている。」
RIETI - ロボット品質の計測:品質改善のペースは鈍化しているのか?
https://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/21e054.html?fbclid=IwAR0aaJZjPHmwLZ7KTF1alJ1dIWPQnZHB9Hsl6BSHY1Po73PMm7r5F6qSKao
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
