Sgnifiant Styleで議論されている「スタートアップ経営者が『健全な野心』を保つことの難しさ」が面白い。

 

スタートアップ経営者のチャレンジに欠かせないのは、野心を持つこと。一方、ステークホルダーが増すレイトステージで、自己利益のみを追求する姿勢は思わぬ軋轢を生みかねない。グロースキャピタルとして提唱する「健全な野心」の定義と意味について考えている。

朝倉祐介(シニフィアン共同代表)

村上誠典(同上)

小林賢治(同上)

 

https://signifiant.jp/articles/ambition/

 

・単に小さいイグジットで終わると、レイトステージからの支援では大したリターンを得ることができない。そうした意味で、「健全な野心」は、単なるお題目ではなく、経済的インセンティブ上も重要な条件だ。

 

・「この程度のイグジットで良いかな」と妥協した途端、会社全体のモメンタムが失われていくことは否定できない。その後の成長性には大きな影響を及ぼすだろう。

 

・経営陣が創業者であり、なおかつ大株主である場合、ともすると独裁的な経営スタイルになりかねない。ただ上場企業として成長していくには少数株主をはじめとしたステークホルダーのことも考えなければならない。そういう意味で、個人的な野心だけをエネルギー源としてしまうのも困りものだ。

 

・経営者はそれぞれ大なり小なりの野心は持っているわけだが、「健全な」というのは自己利益ばかりでなく、何らかの社会課題を解決したり、それに基づく新たな産業を創出したりするということ。そういう大きなテーマにタックルしていこうという野心だ。

一方で、ある程度の成功を収めると、野心を持ちづらくなるものだ。だからこそ、しっかりとした野心を継続的に持ち続けられるような健全さが必要だ。大きな仕掛けをどんどん実践していくためにも、そうした気持ちが必要だろう。

さらなる成長を目指すときには、より多くの潜在的なステークホルダーを巻き込んでいかなければならない。そのためには、自己本位な野心だけでは成立しない。

 

・次のステップに向かう段階で「うちの会社はこの程度のレベルではなく、もっと大きい目標を狙えますよ」という矜持があるかどうかは、長期的な投資家からの信頼を得る上で、大きなポイントになると思う。

 

IT起業研究所ITInvC代表 小松仁