「空飛ぶクルマ」を実現しようとトヨタ自動車を辞めて独立し、今年8月には公開で有人飛行実験に成功したスカイドライブ社長の福澤知浩さんの話が面白い。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00109/102200050/?n_cid=nbpnb_mled_enew
・(事業化という最終目標から見て、現在の到達点はどれくらいでしょうか。)
一般の人を乗せてサービスを開始する、というゴールから言うとまだ3~4割程度です。今後残された課題は、既存の航空機並みの安全性を確保して型式認証を取ること。
我々のような小さなベンチャーがその壁を越えられるかが、一つ大きな課題です。
・やることの量が多いので、それを皆で整理しながらやっていけるかどうかが勝負です。例えば今の機体は1人乗りですが、それを2人乗りにしたり、雨や風の中でも飛べるようにしたり。故障しにくいシステムや部品にしていくことも必要です。
・(空飛ぶクルマの開発を始めたり、コンサル会社を起業したりと、新しいことを始めるモチベーションは何でしょうか?)
やっぱり「ものづくりは楽しい」ですね。おまけに良いものができて世界中の人が喜んでくれたらなおさらいいな、と。社会貢献と言えるほど大きな目的意識ではありません。スカイドライブは文化祭みたいなものだと考えてください。僕は文化祭実行委員長。「合唱で男子が歌ってくれません!」というような問題をなんとか解決して本番を迎える。その合唱で、誰かが感動して泣いてくれたらうれしいなと思っています。
・我々や(電動車椅子を開発する)WHILL、(家庭用ロボットなどを開発する)GrooveXといったハードのスタートアップが少しずつものづくりで成功していけば、「こういう会社も面白いんじゃない」という気づきになり、人材の流動化も活発になり、会社がさらに強くなったり新しい会社が増えていったりすることにもつながります。日本はまだまだハードウエアのスタートアップが弱い。それは結局、良い人材がスタートアップに来ない、特に製造業であればあるほど大企業に眠ってしまっているという課題に起因すると思っています。
・(大企業もコーポレートベンチャーキャピタルCVCを通じてスタートアップに投資をしたり、オープンイノベーションに取り組んで学ぼうとしたりしています。)
状況は変わってきているとは思いますが、現状のCVCは投資だけなので人材交流はほとんどありません。接点があったとしても本当に数人だけです。数万人の会社は数人では動かない。やらないよりはまし、という程度です。
・2019年は国内のベンチャー投資金額が過去最高になりました。そのうちハードウエア領域は1割もなかったと思いますが、それでもおこぼれは来ます。だから僕たちは成長できました。
18年には、当時の菅官房長官が言い出して、空飛ぶクルマについての官民協議会ができました。これによって色々な会社がこの領域に参入してきました。僕たちにとってもすごく良い話です。成長戦略として国土交通大臣が宣言する、というのは信頼感が全く違います。波はいくつか送ってもらいましたが、その波を5倍10倍にしてほしい。僕たちもこれから5倍10倍頑張らないと、と思っています。
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

