日経記事「米中、新暗号で覇権争い 量子計算機での解読防ぐ」がわかりやすく面白い。
米国はインターネットでのデータのやりとりなどに使う新たな暗号の標準技術を2021年にも決める。今後実現が見込まれる高性能の量子コンピューターでも解読が難しいものを選ぶ。中国は機密情報の管理を重視し、専用の通信装置を使う別の通信技術で国際標準を狙う。将来のサイバーセキュリティーを巡る主導権争いが激しくなっているという。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65142580X11C20A0EA1000/
・米国立標準技術研究所(NIST)は安全性への懸念から、31年以降は既存の暗号技術をそのままで新規で使わないよう警告している。
NISTは16年、世界中の研究者から新たな暗号を公募した。当初は50弱の候補があったが3年以上かけて安全性や使いやすさなどをもとに検討し、20年7月に4つに絞り込んだ。どの候補も、量子コンピューターでも解けない複雑な数学の問題を解かせる暗号だ。最終的にその中から1~2候補を選ぶ見込みだという。
・一方、中国が国際標準を狙うのは、専用の通信網が必要になる「量子暗号通信」という技術だ。第三者に盗聴されると必ず痕跡が残り、常に安全を確認できてデータ漏洩を防げる。政府機関や金融など情報の機密性の高い分野に需要があるという。
中国は20年までの「科学技術イノベーション第13次5カ年計画」で、量子コンピューターと量子暗号通信を重大プロジェクトに掲げた。すでに北京―上海間に約2000キロメートルの量子通信のネットワークを構築しているらしい。
・インドの調査会社、ザ・インサイトパートナーズによると、量子暗号通信の市場は年39%ずつ成長し、27年には約20億ドル(2100億円)に達するという。中国は市場性よりも、機密情報の管理など安全保障上の効果を見込んでいるとみられるようだ。
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

