WIRED記事「アームを買収するNVIDIAは、半導体業界の主役に躍り出る」がちょっと面白い。

 

https://wired.jp/2020/09/15/flight-simulator-2020-uncanny-escapism/

 

・半導体大手のエヌヴィディア(NVIDIA)が、半導体設計大手のアーム・ホールディングスを400億ドル(約4.2兆円)で買収すると発表した。この買収によって半導体業界は一夜にしてその姿を変え、エヌヴィディアを多くの活動の中心へと押し出すことになる可能性が高いという。

 

・サンノゼに本社を置くエヌヴィディアは、PCとゲーム機用のグラフィックチップの販売で最もよく知られているが、同社のチップはAIアルゴリズムを訓練するためにデータセンターでも使用されているようだ。新型コロナウイルス感染症のパンデミックによってゲーム機とクラウドコンピューティングの需要が急激に高まったことにより、エヌヴィディアは恩恵を受けているらしい。現在、世界で最も価値の高い半導体メーカーであり、時価総額はおよそ3,500億ドルに達しているという。

 

・アームは英国のケンブリッジを拠点とし、中央処理装置(CPU)チップの「命令セットアーキテクチャー」と呼ばれる設計のライセンスを供与している。これはアップルやグーグル、アマゾン、ファーウェイなどの企業にとって、インテル製チップに代わるものだ。アーム製品は世界のスマートフォンの約90パーセントに使用されている。同社は2016年にソフトバンクが320億ドルで買収していた。

 

・エヌヴィディアのジェンスン・ファンCEOは、業界アナリストとのインタヴューで、アームをエヌヴィディアに引き入れることでデータセンターへのアーム製チップの販売が増えるだろうと語っている。「変わるのは、わたしたちの計画の進展速度です」と、ファンは言う。「アームのマイクロプロセッサー、すなわちアーム製CPUが、データセンターとクラウドの分野で切に求められていることは間違いありません」

「わたしたちは、いま享受している規模の何千倍も大きなインターネットを立ち上げる時期に入ろうとしています。多くの人がそのことに気づいていません」と、ファンは語っている。「わたしたちは、このAI時代にふさわしいコンピューティング企業を創造したいのです」

 

IT起業研究所ITInvC代表 小松仁