イーロン・マスク氏が設立した医療系スタートアップの米ニューラリンクは28日、開発を進める脳とコンピューターをつなぐ技術の最新の成果を発表したようだ。ブタを使った実演では、頭蓋骨に埋め込んだデバイスが脳内の電気信号を読み取る様子を披露したらしい。

今後どう展開されていくか見守りたい。

 

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/08633/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63211990Z20C20A8EA5000/

発表会に登壇するマスク氏。左側にあるのが、手術用ロボット

(出所:イベント動画をキャプチャーしたもの)

 

米ニューラリンクが開発中の脳内に埋め込むデバイス「リンク」

(米ニューラリンクのプレゼン動画から)

 

「LINK V0.9」の概要 出所:イベント動画をキャプチャーしたもの)

 

左側が19年の脳直結型デバイスで、右が今回のコインサイズのもの

(出所:イベント動画をキャプチャーしたもの)

 

・BMI(ブレーン・マシン・インターフェース)には多くの技術方式が考案されているが、米ニューラリンクでは大脳皮質に多数の電極を埋め込み、脳と外部のコンピューターの間で電気信号をやりとりすることを目指しているようだ。

 

・28日にオンラインで開いた発表会では、19年7月に公開した装置に比べて、脳直結型装置「LINK V0.9」と呼ぶ直径23mm、厚さ8mmのコインほどの大きさに小型化し、無線によるデータ送信機能を内蔵するなど大幅に進化させた「リンク」と呼ぶデバイスを人間の頭蓋骨に埋め込み、近距離無線を使って外部のコンピューターとつなぐ構想を示したようだ。将来的には脳内で念じるだけで車を呼び出したり、テレビゲームを操作したりすることを目標としているらしい。

 

・1024チャネル分の電極や半導体部品、2次電池のほか、6軸のモーションセンサー、温度センサー、圧力センサーなどを備える。無線充電機能があり、満充電にすると終日動作するという。充電は一晩かかるらしい。

 

・発表会では実際に頭蓋骨にデバイスを埋め込んだブタを登場させ、脳内の電気信号の様子をモニターに映し出すデモを見せたようだ。

現時点で、埋め込んでから約2カ月が経過したという。加えて、同装置から取得した信号を基に推定した豚の動作と、実際の豚の動作が一致しているかどうかを調べた様子を見せた。この結果、実際の動作と推定した動作がほぼ一致していることをアピールしていたようだ。

 

・ニューラリンクは開発中のリンクなどについて、米食品医薬品局(FDA)から医療機器として優先的な審査を受けられる「ブレークスルーデバイス」の指定を受けたという。当面は脊髄損傷によるまひなどを抱える患者の治療目的で臨床試験を進め、ゆくゆくは誰でも利用できるようにする考えのようだ。

 

・米国ではBMIの研究が盛んで、IT大手ではフェイスブックがウエアラブル端末を使ってコンピューターを操作する技術の開発に取り組んでいるらしい。米調査会社によると関連する市場の規模は26年に26億7000万ドル(約2800億円)になると見込まれているようだ。

 

IT起業研究所ITInvC代表 小松仁