国際政治学者で米ユーラシア・グループ社長のイアン・ブレマー氏が、「Gゼロ時代に、安定・平等の日本が輝く」と元気づけてくれている。

 

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00181/073000002/?P=1

(写真:Maki Suzuki)

 

・日本は再興をどう果たすかというより、日本社会がもともと持っている経済安定性や平等社会といった良い部分をどう生かすかを考えるべきでしょう。

 

・これから米中のデカップリングは確実に進みます。次世代通信規格「5G」や半導体、ビッグデータ、国家安全保障の関連技術などにおいて、世界は「米国側」と「中国側」の真っ二つに分かれることになるでしょう。そうなったとき、日本は米国側に付くことになるでしょうね。

 

・長い目で見ると、日本企業は危機に直面します。米国が中国との対立を深めていくからです。世界の市場は分断され、規模が小さくなっていきます。また米国側での中心的存在は、もともと開発力の優れる米テック企業であることに変わりありません。日本の企業にとっては苦しい状況になるでしょう。

 

・アフリカは世界の中で最も将来性のある、手つかずの成長市場の1つです。数十億人の人口を抱えながら、まだ世界のテクノロジーとつながっていません。しかも彼らは非常に若い。もしこの若い世代に正しいトレーニングを施して技術を教えれば、すぐにアフリカ諸国に最先端のテクノロジーが浸透していくでしょう。

 

・カギは「○○×IT」です。農業、医薬、教育など、あらゆる産業にコネクティビティー(インターネット接続性)を持たせれば、生産性や利益率を飛躍的に向上させられます。農作物を監視して効率的に育成したり、優れた医薬品で人々の健康をより長く維持し、労働力を確保して経済発展につなげたりすることも可能でしょう。遠隔治療の分野にも将来性がありそうです。

 

・製造業よりもITの方が利益を生みやすい。日本の製造業がインドに進出してもなかなかうまみを味わえなかったのは、日本の高品質な製品へのニーズがインドではそこまで高くなかったからです。アフリカでも同じだと考えられるので、製造業よりもデジタルの世界で日本の技術やノウハウを投じ、地元に浸透させるのがいいでしょう。デジタルの分野で「日本モデル」をつくるのです。

 

・日本は、これまでも米国の良きパートナーとして貢献してきましたから、米国にとっても日本が果たすべき役割は大きいでしょう。ただ心配なのは、日本がこうした国際舞台で「主張上手」になれるかどうか。そこは課題と言わざるを得ません。

 

・この40~50年間、資本主義を貫いてきた欧米諸国はその結果、「貧富の差」を生み、国内を富裕層と貧困層に分断してしまいました。でも、日本はそうなっていません。その分、日本は今後10~20年間にわたって我々が経験することになる危機への耐性が高いと言えるのです。

 

・日本はもっと自国の良い点を知って、それを生かすべきです。私は日本の未来は明るいと信じています。

 

IT起業研究所ITInvC代表 小松仁