Significant style「『創業者フレンドリー』な投資家のあり方について考える」の内容が興味深く参考になると思う。

 

https://signifiant.jp/articles/startup-friendly-investors/

https://youtu.be/6khJAheqNBQ

 

朝倉祐介(シニフィアン共同代表)

村上誠典(同上)

小林賢治(同上)

 

・投資家として「創業者フレンドリー」であるとはどういうことなのか。

USの事例でわかりやすいのが、アンドリーセン・ホロウィッツだ。彼らは、スタートアップに対して、資金提供するだけではなく、独自のバリューアップチームを派遣し、その会社のバリューアップに貢献する、という特徴を謳っている。

そういった謳い文句の一つとして、投資家の中には「我々は創業者フレンドリーなチームである」と訴求する人々がいる。この点について、Y Combinatorのアーロン・ハリスが2017年にブログで、「創業者フレンドリーとはどういうことなのか」をまとめていて、和訳されたポストもある。

https://www.ycombinator.com/library/3R-what-founder-friendly-actually-means

https://review.foundx.jp/entry/what-founder-friendly-actually-means

 

・アーロン・ハリスが考える「創業者フレンドリー」とは何かというと、誠実である、率直である、迅速に対応する、会社・株主・従業員の利益のために最善を尽くす、といったことのようだ。

 

・ステークホルダーの中で創業者が最後に示されているのは、「会社の成長が最も重要だ」という哲学の表れだと解釈している。

創業者は、興した会社が成長することによって直接的なベネフィットを得る関係者であり、「創業者フレンドリー」とは創業者が個人的に利益を得ることを支援することではなく、会社の成長を本質的に支援することである、という立場である。「創業者フレンドリー」だからといって、会社のステークホルダーとして創業者個人を最優先することはないということなのだと思う。

 

・会社として、ステークホルダー全体のベネフィットを追求するためには、経営陣が常に会社の現実・現状を正しく理解している必要がある。投資家としてそれを支援するということは、経営陣にとって耳の痛い話もする、ということである。

 

・例えばジャック・ウェルチ『ウィニング 勝利の経営』でも、冒頭で”Candid”、率直であることが重要だと書いてある。あるいはピーター・ドラッカーも、組織のリーダーやマネジメントを担う人材にとって決定的に重要な資質として、”Integrity”、誠実さを挙げている。一見、ただの綺麗事のように聞こえるが、何度も強調しなければならないくらい、貫くのが難しいことなのだろう。

 

・本当の意味でフレンドリーな投資家、会社の成長を考えて率直に意見を言ってくれる外部の目は、得難い存在ではあるが、受け手が常にそれを受容できるかというと、必ずしもそうではない。個々人の資質に依存する部分もあるが、投資家の指摘に対して「否定された」と感じてしまう瞬間は、どんな経営者にもあるだろう。投資家が精一杯誠実に、経営者に対峙し続けたケースでも、最終的に不一致や不和に陥るケースも多々ある。このあたりが、投資家が本来的な意味で「創業者フレンドリー」であることを、構造的に難しくする点でもある。

 

IT起業研究所ITInvC代表 小松仁