昨年、シリコンバレーに長期滞在し、「シリコンバレーイノベーションプログラムの受講とともに、HR テックの年次カンファレンスに参加した、日本能率協会の平井亜矢子さんがシリコンバレーのイノベーションを生み出すエコシステムの動向とカンファレンスをレポートしている内容がちょっと面白い。

 

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・2019年度の日本能率協会「経営課題実態調査」では現在~5年後の経営課題について調査を行った。現在の課題の優先度として高いものは「収益性の向上」となっているが、3年後・5年後においては「人材の強化(採用・育成・多様化への対応)となっている。

 

・また、「新製品・新サービス・新事業の開発」も上位の課題として挙げられている。グローバルとの競争戦略の中で、日本が新規のビジネスを生み出す力が弱くなっていることは長らく日本企業の悩みの種になっている。新しい事業の成長は既存事業を含めた会社の事業ポートフォリオにも影響してくるため極めて優先度の高い課題だと思われる。

現在・3年後・5年後における経営課題

 

・ミレニアル世代が給与以外で企業に対して期待する内容を調査したアンケート。ここにあるとおり、この世代は金銭面といった物質的な豊かさだけでなく、「自分がどれだけ成長できるか」「企業に所属している間に学ぶ機会を得られるか」といったことを重要視する傾向がある。そして成長機会については一括で提供されるものではなく、個人のニーズに沿ったものを受け取りたいと考えている。また『デジタルネイティブ』と呼ばれ、幼いころからデジタル機器に精通していることもあり、決まった時間に決まった場所で仕事をするのではなく、デジタル機器を活用しながら自身の判断で自由に仕事をすることを好む。これらの特徴は日本の若年層の特徴と共通する部分が多い。

 

・アメリカのグローバル企業はこのミレニアル世代の優秀人材の価値観に合わせ、自社の経営活動、事業活動を通して社会に与える影響力、成長のための機会、働き方の自由度といった情報を対象層となる若者に対外的にアピールしている。

 

・テクノロジーによる改革というとこれまでは業務の作業を効率化するためのサービスが主体であった。例えば RPA(Robotic Process Automation「ロボットよる業務の自動化」)は人が手動で行っていた作業をテクノロジーで代替し、人の介在を最小限に留めて自動化するというサービスである。このようなシステムはアメリカでも日本でも進化を遂げており、導入する企業が増えている。しかし日本よりも早くからこのようなツールを導入していたアメリカではサービスの普及が一巡し、単純な労働作業の効率化における生産性向上の限界を迎えはじめている。

 

・そこで企業が次に注目している点は、テクノロジーを活用しいかにして個人の潜在的な能力を引き出すかという点である。これには医療・脳科学などの分野とも関連付け、健康管理・メンタルヘルスを管理するものから、個人の集中力を高めるためのツールといった広範囲のサービスが展開され始めている。

 

・加えて現在ではビジネスの形態そのものが変化してきている。これまでのように定型業務を労働作業の量でこなしていくのではなく、さまざまな情報を収集・分析しながら新しい発想を生み出していく研究開発や企画業務、コミュニケーション力を使って顧客課題を解決していくコンサルティングやソリューション業務といった仕事へのニーズが高まってきている。

 

IT起業研究所ITInvC代表 小松仁