中国出身である米マサチューセッツ工科大学(MIT)のジャクソン・ルー助教授が、東アジア系が米国の組織のリーダーとして注目される事例は極めてまれで、とりわけ大企業や大学では、アジア系の中ではインド出身の人物がトップに出世しているケースが目に付くが、東アジアの日本・中国・韓国出身者は存在感がない点について話しているのが面白い。

 

https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00030/071300115/?n_cid=nbpnb_fbed&fbclid=IwAR0zmpp-iwK3Ui5Q1-NshG7uNgUnWtpnAiCl6HsejV2oXr3oEQL7RiszghE

ジャクソン・ルー(Jackson Lu)
米マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院助教授
米ウィリアムズ大学で日本語、数学、心理学を専攻し首席で卒業。2010年、早稲田大学国際教養学部に半年留学し、米コロンビア大学経営大学院で経営学における組織行動論の博士号(Ph.D.)を取得、2018年から現職。文化とグローバリゼーションが専門。2019年、米Poets and Quants誌に40歳以下のベストビジネススクール教授の1人に選ばれた。

 

・東アジア系は儒教文化の影響が色濃く、東アジア系は謙虚にふるまうことや調和、安定を好み、自分の意見を言うことを好みません。一方、何百年の長い歴史の中で、インドやパキスタンといった南アジア系は、そもそも自己主張が強く、さらに議論を好む文化なのだと思います。

ですから米国の文化の中でも自然にふるまえ、違和感がない。東アジア系が同じようにやってもなかなか上手にできないと思いますし、そもそも心理的・文化的に難しい部分はあると思います。

 

・私たちの研究でも、中国人と韓国人は、日本人より多少は、自分の意見を主張する傾向があります。ですから、米国企業においては東アジア系で一番割を食いそうなのは、恐らくは日本人の方たちと思われます。

 

・重要なポイントは、米国人、米国生まれの日本人や韓国人、インド人の間でも、リーダーシップスタイルに違いがあるということです。つまり英語が流ちょうだとしても文化的なものがつきまとう。そこは、英語力だけの問題ではないのです。

 

・大企業でガラスの天井、女性がリーダーになりにくい問題がありますね。過去の研究では、もっと自分のことを主張するようにしてみたところで、男性からは「この人は女性なのに自己主張が激しい、空気が読めない」とネガティブに見られる場合があるため、逆にリーダーになりにくいという結果も出ている。同じように、東アジア系が米国企業でもっと自己主張をするようになったとしても、昇進には逆効果になる可能性がある。

 

・日本人をはじめ東アジア系が米国で活躍するには、やはり米国の文化を身につけなければいけませんね。そして自分の文化に納得することが重要だと思います。そして、この文化の中ではこういう規範だから、ここでは自分もこう接するのだといった、柔軟性のある対応をする必要があります。かなり難しいですけれど、チャレンジした後に母国に戻って活躍するのも素晴らしいことですよね。

 

IT起業研究所ITInvC代表 小松仁